イタリアのランペドゥーザ島に1万人の移民 対応めぐってEUに亀裂

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パリ=宋光祐
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 イタリア最南端のランペドゥーサ島に過去1週間で1万人を超える移民が押し寄せ、欧州が対応に揺れている。メローニ首相は欧州連合(EU)の主導による移民の受け入れや国境監視の分担を求めているが、ドイツがイタリア経由の移民の受け入れを一時停止するなど、EU加盟国の亀裂が浮き彫りになっている。(パリ=宋光祐)

 ランペドゥーザ島は地中海に浮かぶ人口約6千人の島で、北アフリカチュニジア沿岸から約150キロの位置にある。近年は北アフリカから欧州を目指して漁船などで海を渡ってくる移民が最初に上陸する「ホットスポット」になっている。

 イタリア内務省の発表によると、今月11~15日にかけて1万1485人が島に上陸した。イタリアでは今年に入ってアフリカや中東などからの移民が急増しており、15日時点で昨年同時期の約2倍にあたる12万7千人が海路で到着している。その大半の上陸地はランペドゥーザ島だ。

 地元のマンニーノ市長は12日、ANSA通信の取材に「住民を超える数の移民が押し寄せる『衝撃波』には耐えられない。今の状況では移民に適切な支援を届けられない」と話した。14日にはSNSで、島の沿岸に夜間にたどり着いた船に乗っていた5カ月の乳児が水死したと明らかにし、支援を訴えた。

 対応能力を超える移民が押し寄せる危機的な状況を前に、メローニ首相はEU加盟国に協力を呼びかけている。17日にはフォンデアライエン欧州委員長とともに島を訪問。「ここで危機に瀕(ひん)しているのは、欧州の未来だ」と訴えた。フォンデアライエン氏は、他の加盟国が移民の受け入れをイタリアと分担することやEU機関による監視強化など10項目の計画を示した。

 しかし、移民の受け入れをめ…

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