地方でも便利な土地値上がり 3LDK3500万円「もうすぐ完売」

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長橋亮文 新田哲史 平林大輔
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 19日発表の基準地価では、人口減少に悩む地方にも回復の兆しがみられた。買い物や通院に便利な地域は住宅需要が堅調だ。訪日外国人(インバウンド)の増加や半導体工場の建設も追い風になっている。

 山形市のJR山形駅から徒歩10分の市街地に今月末、15階建ての分譲マンション「グランフォセット木の実町公園通り」(70戸)が完成する。

 徒歩5分以内に三つの総合病院があり、小中学校も通いやすいのが売りだ。2020年に山形県内で唯一の百貨店「大沼山形本店」は閉店したが、近くに駅ビルや食品スーパーがあり、買い物には困らない。

 3LDKで約3500万円(税込み)。販売を手がける「東北パートナーズリアルエステート」(仙台市)の担当者は「もう少しで完売です」と手応えを話す。

 ファミリー層のほか、郊外の戸建てから移り住む高齢者の購入も目立つという。子どもが独立すれば大きな家はいらなくなる。運転免許を手放しても、中心部なら徒歩やバスで移動しやすい。

 山形市の別の分譲マンションに暮らす主婦(88)は戸建てを売って住み替えた。「大変だった雪かきをマンションならしなくていい。暮らしが便利になりました」

 そんな「街なか居住」の流れは地価にも反映している。山形県全体の地価(全用途)は25年連続で下落しているが、山形市は9年連続で上がった。市も住居と商業施設などが一体となった再開発に補助金を出すなど後押ししている。

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