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 「IMONIKAI」という東日本大震災の避難者交流会が毎月1回、大阪市立社会福祉センター(天王寺区)で開かれている。東北地方の鍋を囲むイベント「芋煮会」になぞらえ、震災の翌年から始まった。会場で避難者の心のケアに当たる三石弘美さん(49)は「本音をはき出すと楽になります」と参加を呼びかけている。

 IMONIKAIは、大阪市社会福祉協議会が2012年8月から避難者支援事業として開始。16年4月から避難者による自主運営に切り替わり、今は東日本大震災避難者の会「Thanks&Dream」(通称サンドリ、森松明希子代表)が主催している。

 三石さんは、一般財団法人「メンタルケア協会」(本部・東京)が認定している「精神対話士」の資格を持ち、14年1月からボランティアで参加している。サンドリによると、参加者の多くが東京電力福島第一原発事故による放射能汚染から逃れた自主避難者の人たち。特に母子避難者が多く、子どもの健康を心配して汚染されていない食材を求めてきたケースが目立っている。

 震災当時、妊娠6カ月だった田中里子さん(49)は東京都から静岡県に避難した後、16年3月に夫の実家がある大阪市に再避難し、IMONIKAIに参加するようになった。静岡では、行政が主催する離乳食教室で食材の産地を聞くと「役所が大丈夫と言っているのに何を気にするの」と言われるなど、汚染のことを口にしにくい状況だったという。この会に参加して「被曝(ひばく)のことを口に出しても共感してくださる方が多く、物が言いやすい」と話す。

 三石さんは「母親は幼い子を守りたいという一心。しかし、気にしすぎだとか、避難によって地元に風評被害が立つと言われ、孤立化するケースが多い」と分析する。

 三石さんによると、母子避難者は二重生活によって出費がかさむ「経済的問題」と、「家族の理解」について悩みを打ち明ける人が多いという。地元に残った家族らから「いつまで避難するんだ」と問い詰められ、離婚に至るケースもあるという。「私の役割は傾聴。つらいことをはき出し、一歩でも前へ進んでもらえれば」と三石さん。

 IMONIKAIは近鉄大阪上本町駅から徒歩3分の市立社会福祉センターで、午前10時半から午後3時まで開かれる。予約不要で、出入り自由。最近は十数人が参加し、自由トークを楽しんでいる。次回は25日。問い合わせは、サンドリへメール(sandori2014@gmail.com)で。