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 各地で震災を語り継ごうと取り組む高校生や大学生が7日、東松島市に集まり、語り合った。伝承活動に携わる人や団体でつくる「3・11メモリアルネットワーク」が企画した若者トークの3回目。若い世代が横につながりつつある。

 活動を始めたきっかけは様々だ。

 鈴木元哉さん(19)は女川町出身の大学2年生。震災の年に入った女川一中で「自分たちにできることは何だろう」と、仲間と話し合った。「千年後の命を守る」を合言葉に、浜に「ここまで逃げて」と呼びかける石碑を建てる活動を続けている。

 この8月には19基目ができる。「防災(意識)が空気のように気持ちに根付けば、幸せな世の中になると思う」と話した。

 石巻市大川地区で家族を亡くした永沼悠斗さん(23)は、高校卒業まで、震災に向き合うことはなかった。野球部に打ち込んでいたことと「自分の中で整理するのが難しかった」からだ。その後、大好きだった故郷の記憶を伝えたいと、大川地区の模型づくりにうち込んだ。大学にも入り直し、福祉分野での防災をテーマに学ぶ。

 東松島市の高校3年生、武山ひかるさん(17)は、1年上の先輩が語り部をしているのを知り、「私にもできるかな」と、2年前に始めた。同世代を被災地に案内し、避難時に必要な知識などをゲームを交えて話す。「話を聞いた子が『自分たちの学校で発表する』と言ってくれたのがうれしい」と、手応えを話した。

 西日本豪雨でも多くの人が逃げ遅れた。七ケ浜町の向洋中卒業生でつくる「きずなFプロジェクト」の阿部花映さん(16)は「災害のとき逃げなきゃいけないと、語り部で呼びかけてきた。広がっていないのかと思いました」。石巻の永沼さんは8日、四国へボランティアに向かった。

 石巻市大川小での経験を伝える只野哲也さん(18)は今年から大学生。「大学では誰も震災に関心がないようにみえる。きょう先輩や後輩たちのがんばりを聞いて、まだまだ風化はないと感じた」と話した。

(石橋英昭)