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 被災者向けに建てられた災害公営(復興)住宅で、空き室が生じ、被災していない人が入る動きが広がっている。県のまとめでは、完成した1万5559戸のうち7月末現在で被災者が住むのは1万4301戸、92%にとどまる。14の市町が一般向けの募集に踏み切り、565戸(3・6%)に被災者以外が入居。なお693戸(4・5%)が空き室のままだ。

 県内21市町が計1万5823戸の復興住宅建設を計画し、震災7年半で98%が完成した。石巻、東松島、名取市の4地区で残り260戸の工事が続くが、震災8年となる来年3月末までにすべて終わる見通しだ。

 一方、完成を待つ間に入居希望者の意向が変わったり、いったん入った人が退去したりして、空き室が発生。これ以上被災者の入居希望がないと見極めた自治体が順次、一般の低所得者向けに開放してきた。

 昨年、全2087戸の整備を終えた気仙沼市では、すでに75世帯が退去。うち36世帯は住んでいた人が亡くなった。現在百数十戸が空いており、退去者も増加傾向にあることから、9月からは年4回、20~30戸程度を計画的に一般募集することにした。

 名取市は今年末までに655戸の整備を終える。仮設住宅に残る人の意向や退去状況を確かめたところ、最終的に12%近い77戸が空く見込みとなった。53世帯が自力再建に転じたほか、死亡や高齢者施設に入るなどした人も12世帯いた。「時間の経過で高齢者の状況が変わった」と担当者。10月から一般募集を始める。

 女川町は今年2月から一般募集を始めたが、人口流出が続くこともあって、空いていた約80戸の4割程度しか埋まっていない。町は6月から、被災者も含めて入居者の所得制限を緩和し、新たに一般の単身者の入居も認めた。「所得制限のため入居したくてもできないという人の要望に応えた」という。

 七ケ浜町(16・0%)、塩釜市(13・8%)、亘理町(13・8%)などは、一般入居者が戸数の1割を超える。被災を経験した人と経験していない人が、一緒にどうコミュニティーをつくるかが、今後の課題となりそうだ。(編集委員・石橋英昭)

災害公営住宅の一般開放の状況(7月末現在、県まとめ)

一般開放した自治体 完成(管理開始)戸数 被災者の入居 被災者以外の入居 

仙台市        3179戸      2944戸 122戸 

気仙沼市       2087       1830   94 

女川町         859        780   33  

南三陸町        738        636   87  

多賀城市        532        514    7  

山元町         490        454   22  

亘理町         477        404   66  

塩釜市         390        330   54  

七ケ浜町        212        169   34  

岩沼市         210        191    6  

大崎市         170        140   26  

涌谷町          48         43    5  

美里町          40         28    9  

県全体       15559      14301  565

 ※名取市は10月から募集を始める