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 京都市右京区の愛宕(あたご)神社の境内で見つかった桃山茶陶を紹介する「日本一!?高い場所から発見された桃山茶陶」が、上京区今出川通大宮東入の市考古資料館で開かれている。安土桃山時代から江戸時代前期の皿、碗(わん)、向付(むこうづけ)と呼ばれる食器など約30点が並ぶ。

 資料館によると、「火迺要慎(火の用心)」のお札で有名な愛宕神社は、火伏せ(火災予防)の神として信仰を集めてきた。神社が鎮座する愛宕山(標高924メートル)には、明治時代の神仏分離令で廃寺となるまで白雲寺(はくうんじ)という寺院があった。その本尊が馬にまたがり、甲冑(かっちゅう)を身に着けて剣を持った勝軍地蔵(しょうぐんじぞう)だったため、軍神として武士からも信仰された。

 戦国武将の明智光秀も本能寺の変(1582年)の直前に参拝したという記録が残っている。白雲寺には室町時代ごろから宿坊が設けられ、武士や公家、豪商らが訪れて茶会や食事を楽しんだとされる。

 展示された陶器は、愛宕神社が約20年前から境内の斜面で採集し、昨年に資料館に寄贈した150点余りの一部。斜面で採集された陶器は、釉薬(うわぐすり)が施された志野や織部などの美濃(岐阜県)産が8割ほどを占める。唐津(佐賀県)や高取(福岡県)産の陶器のほか、中国から輸入された磁器もあった。

 資料館の高橋潔副館長は「標高の高い山岳信仰の霊山で、釉薬を施した陶器がまとまって発見されるのは珍しい。愛宕信仰のあつさと、愛宕山のにぎわいを感じてほしい」と話す。

 8月12日まで。入場無料で午前9時~午後5時。月曜休館(月曜が祝日や振り替え休日のときは翌日休館)。問い合わせは資料館(075・432・3245)。(大村治郎)