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 偽装請負事件をめぐる報道で名誉を傷つけられたなどとして、北九州市の土木建築会社と社長の女性が、朝日新聞社と、福岡県警を管轄する県に計3300万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決で福岡地裁小倉支部は16日、原告の請求を棄却した。

 女性は、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の修繕工事をめぐり労働者を偽装請負の形で送り込んだとして、職業安定法違反の幇助(ほうじょ)の罪で2012年2月2日、罰金25万円の略式命令を受けた。女性の夫は指定暴力団工藤会系の組長で、朝日新聞は翌3日付朝刊で、同社は実質的に組長が経営し、売上金のうち1億円以上が工藤会側に流れた疑いが強いと報じた。

 野々垣隆樹裁判長は記事について、公共の利害に関するもので公益を図る目的だったと認めた。しかし、「1億円が流れた」との点については「捜査関係者からの情報に基づくものだが裏付け取材が不十分で、真実とも、真実と信じるに足りる相当性も認められない」と指摘した。

 ただし、記事掲載の時点で会社はすでに建設業を廃業していたことなどから「記事による損害は認められない」と結論づけた。

 また福岡県警については「捜査関係者が個人的に、自分の見方を含む情報を記者に提供したにすぎない」として「職務上の過失には当たらない」とした。

 原告側代理人は「判決文を読み弁護団で協議し対応を考えたい」とした。

 <朝日新聞西部本社統括センターの話> 本社の主張が認められなかった部分もありますが、原告の請求を棄却した判断は妥当と受け止めています。

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