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 統合型リゾート(IR)の整備を促す法案(カジノ解禁法案)について、自民党が今国会での成立を断念する方針を固めた。来年の通常国会に先送りするが、連立を組む公明党には反対論が根強く、説得できる見通しは立っていない。推進派が目指す2020年東京五輪・パラリンピック開催までの施設整備ができるかは、不透明になっている。

 今国会成立断念に至った誤算の一つは、閣僚のダブル辞任による国会審議の停滞だ。安倍晋三首相は11月30日の会期末の後、消費税率を10%に引き上げるかどうかの判断を控え、会期の大幅延長は難しい。法案は自民、旧日本維新の会、生活の党が議員立法で提出しているが、審議日程の確保について自民党の谷垣禎一幹事長は7日、記者団に「厳しい」と認めた。

 もう一つは、公明党内の反対論が収まらなかったことだ。カジノ解禁には「ギャンブル依存症患者が増える」などの懸念が指摘されており、山口那津男代表は「国民に慎重な意見がある」との姿勢を崩さなかった。朝日新聞の10月の世論調査では「反対」59%、「賛成」30%だった。

 首相は法案が成立した場合、IR担当相に公明党の太田昭宏国土交通相をあてる方針を決め、公明の軟化を狙ったが、当ては外れた。

 法案は継続審議となり、来年の通常国会に先送りされる見通しだが、通常国会では、集団的自衛権の行使を認めたことに伴う関連法案の審議が控える。ただでさえ公明党との厳しい協議が予想され、自民党幹部の一人は「カジノ解禁法案でも公明党が軟化する保証はない。連立相手をないがしろにして強引に成立させられない」と頭を抱える。

 超党派の推進派議員224人でつくる「国際観光産業振興議員連盟」(会長=自民・細田博之元官房長官)が今国会での成立を目指したのは、6年後の東京五輪に間に合わせるためだった。カジノ解禁法を成立させた後、具体的な制度設計を盛り込んだ新たな実施法案を政府に提出させて施設整備を急ぐ計画だったが、戦略の練り直しを迫られる。

 安倍政権は同法案を成長戦略の目玉の一つと位置づけており、公明党の協力が得られるかがカギになる。

 (相原亮)

 

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