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 東京都北区の高齢者用マンションで入居者が「拘束介護」されていた問題を11月に報じたところ、読者から自らの体験談や意見を多くいただきました。こうしたマンションが生まれる背景に、介護をめぐる厳しい現実があることが伝わってきます。苦悩する家族や介護者の声の一部を紹介します。

 千葉県の女性は4年前に90代の父親を入院させた。入院初日、看護師が父親の腰あたりをベルトでベッドにくくりつけた。驚いたが「治療の一環かもしれない」とも思った。その後、皮膚をかきむしるせいか、ミトン型の手袋も着けさせられた。間もなく亡くなった時も手袋をしたままだった。「なぜ医師や看護師に抗議しなかったのか、病院を替えなかったのか」と悔やむ。

 東京都の60代の自営業男性は「拘束せざるを得ない介護の現場を知っているのだろうか」と電話を寄せた。家族3人で介護していた母親は、排泄(はいせつ)物を手で触ったり、自分の夫を認識できなくなったりした。要介護度5になった時、自宅での介護をあきらめ、高齢者向け住宅に入居させた。

 そこでは、自分では脱げない「つなぎ服」を着させられ、夜間はベッドに体を固定させられたが、男性はいずれの拘束にも同意した。「世話がどれだけ大変かを私はわかっている。ヘルパーに一日中ついてもらうわけにはいかないし、施設側に言われたら断れるわけがない」と話した。

 北区のマンションと同じように、自治体に届け出ていない「制度外ホーム」を別会社で運営する広島県の医療法人からも意見が寄せられた。理事長は「自宅で介護を受けられず、お金もない人たちのための受け皿がもっと必要なのに、国は造らない」ことから、設立を決意した。

 介護士がこまめに見守るなど工夫しているが、それでも拘束をゼロにはできていない。徘徊(はいかい)して転ぶことを恐れ、拘束を強く望む家族がいるからだ。法律では介護施設以外での拘束を明確に禁じていないこともあり、理事長は「もっとはっきりと『拘束は違法だ』と書いてくれれば、より説得しやすくなるのに。今はあいまいなので、このような対応をせざるを得ない」と悩む。

 介護職として働く人たちからは、人手不足で忙しい現状を訴える声や、拘束しない介護をめざした体験談が寄せられた。

 大阪府の介護福祉士、川畑千波…

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