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 フォーラム面は、読者のみなさんとともにつくる議論の広場です。今回のテーマは「PTA」。参加してみたら、どうだったのか。経験者に聞きました。朝日新聞デジタルで展開中のアンケートでも、多くの経験者から回答が寄せられました。役員決めは? 活動内容は? 2日にわたって、読者の声を紹介します。

 ■「面倒・負担大きい」7割

 朝日新聞デジタルのフォーラムページで、「どうする?PTA」をテーマに7日までアンケート中です。回答は1800を超えました。PTAのイメージについては「楽しい、おもしろい」「親の責務」などの選択肢から、複数回答可で7割を超す人が「面倒くさい・負担が大きい」を選びました。また「改善して欲しいところ」は、「活動内容の簡素化」「役員・係の決め方」「全員加入が当たり前のこと」が上位です。

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 ●無関心は、子育て放棄と同義語

 好き嫌い以前に、無関心な人が多いと感じる。役員をしてみれば、それなりに人との交流は楽しく、意義のあることだと気づく。取っ掛かりは義務でもいい。まずやってみること。無関心は子育て放棄と同義語。(大分県・40代女性)

 ●家族の病状、全員の前で

 家族のがん治療で通院や入院が多い1年だけ、役を免除して欲しいと希望したら、総会に出て全員の前で説明しろと言われた。(兵庫県・40代女性)

 ●1人親が「免除」もらうには

 役員を決める場で、シングルマザーとして収入が減ってしまうので「免除」にしてほしいと、取りまとめ役に伝えると、その理由を保護者全員にきこえるように自ら説明し、納得してもらってくださいと言われました。(大阪府・50代女性)

 ●ルールを守ってもらうのもつらい

 現在本部役員2年目ですが、正直委員決めが一番嫌ですね。事情があって委員を免除してもらいたい場合、みんなの前で理由を言って承認されたら免除というルールがあるのですが、そのルールを守ってもらう立場というのがつらいです。(茨城県・40代女性)

 ●子どもを守るには人手が必要

 現役中学校PTA会長です。役員、委員がなかなか決まらず、くじ引きを導入しました。最初は希望者だけ、集まった人数でできることを、と思いましたが、私の娘が不審者に遭うという怖い体験をしました。近所くらいは見回りしようと思いました。それにはやはり人数がいないと子どもの安全は守れません。(東京都・50代男性)

 ●毎年、社員交代する「会社」

 昨年二つの委員を兼務しました。貧弱な引き継ぎ資料を頼りに前年度の活動を踏襲するしかなく、充実感どころか、非効率な仕事を次年度にそのまま渡してしまった自己嫌悪を感じます。PTAは毎年全社員が交代する会社のようなもの。(東京都・30代女性)

 ●第2子あきらめた理由のひとつ

 共働きしてます。息子の学校はPTA活動が盛んで、係になるとヒラ役員でも当然のように月に数回、平日日中開催される打ち合わせに出席が求められます(本部役員は週に数回)。年休を使ってもとても足りません。少子化と言いますが、私が第2子をあきらめた理由の一つはPTAです。(神奈川県・40代女性)

 ●ポイント制で「中間管理職」増加

 ポイント制度採用のPTAです。「高ポイントの役職だから忙しくて当然でしょ」の風潮が大きく、まるでポイントが給与額のような言い方を常にされます。また、子どもひとり頭のポイントの取得義務値が決められており、双子や年子も特例がないので、該当する保護者が高ポイントの役職に殺到する悪循環。むだな中間管理役職は増える一方です。(東京都・40代女性)

 =アンケートのコメントから抜粋

 ■独自のルールも

 PTA組織の最高議決機関は「総会」で、定期総会や臨時総会がある。会員になると、委員会などを中心に学校の内外で行われる活動に参加する。

 実際の組織の形や委員会の名称やその数、活動内容は、各学校のPTAによってまちまち。保護者の中からその年の委員会メンバーを選ぶ「役員決め」も、全員に何らかの役割を課す「一人一役」や、仕事の負荷に応じて点数を付け、会員が在校中に満たすべき点数を明示した「ポイント制」のPTAもあるなど多様だ。

 会費の額にも幅があり、小学校の場合、年間千円程度から1万円近いPTAも。集め方も、世帯ごとか、それとも児童の人数分か。きょうだい割引を導入しているPTAもある。

 一方、少子化や共働き・シングル家庭の増加で役員のなり手が不足するなど、多くのPTAが共通して抱える悩みもある。

 いずれにせよPTAは本来、任意加入。知られてきたが、まだ十分ではない。

 (堀内京子)

 ■やればなんとかなるんです 千秋さん

 娘が4年生の時に、クラス役員をやりました。気が進まなかったんですけど、6年に1回は役員を担当しないとと思って。

 1年の時から「4年でやる」と宣言して、事務所とも事前に話し合って、仕事を調整してもらいました。仕事をしていることは、PTAをやらない言い訳にはならないと思う。「お母さん」であることはみんな同じだから。

 1年間広報委員をやった感想は、やっぱり大変だった。広報誌も今の時代に合わせてネット新聞みたいにすれば、コストも抑えられるし、早いし、便利になるのにと思った。コストを抑えることができれば、抑えた分で何かを買うとか、子どものために使えますよね。

 公の場では言いにくいんですよ。和を重んじる世界だから。「任期は1年間だし」と、和を乱すことは言わないように気をつけました。

 でも、PTAって大事なんです。運動会とか大きな行事は先生だけじゃできない。それまでは「学校でなんとかなんないのかな」とか、「もっと少ない人数でできないのかな」とか、疑問ばかりだったけど、それじゃとても回らない。PTAは必要なんです。

 本当は、やりたい人がやればいい。でもやりたい人が少ないから、それは無理。だから子どもを持つ親として、担当をみんなで分け合うしかない。嫌々でも、めんどくさくても、やればなんとかなるんです。子どもも嫌々勉強するじゃないですか。ママも1年くらいがんばらないと。

 実は、PTA会長に立候補しようかって、真面目に考えたこともあるんです。もしPTA会長になったらと思うと、色々と私なりにPTAを更に良いものにしようとアイデアも膨らみます。

 (聞き手・田中聡子)

     *

 ちあき タレント、デザイナー。2003年に長女を出産。テレビ番組への出演やアニメの声優、子ども服のプロデュースなど幅広く活躍する。著書に「映画ブ、作りました。」(朝日出版社)など。

 ■母親への非難、父親の100万倍 川端裕人さん

 小学校PTAで5年間、委員を務め、副会長もやりました。ある1年だけで400時間以上を費やし、「PTA再活用論」という本も出したけど、活動の見直しや保護者の共同体づくりなど、何もできなかった。自己評価は「負け組」です。

 でも、今は情報や経験が蓄積されて「PTAの強制力は見せかけ」と知る人が増えた。「入会も活動も強制がなく、子どもの方を向いた充実した業務になった」といううらやましいPTAも出てきた。ただ、僕のブログにはまだ、PTAを改善しようとして非難されたとか、つらい思いを書きこんでくる人がいる。

 PTAの業務は、女性が担うと想定されていて、参加しない母親は父親の100万倍も非難される。男性の自分から見ても理不尽。女性自らが「役員決めをどう切り抜けるか」などPTAありきの土俵に入っていき、相互監視と自己規制の中で「当たり前」と甘受するようになるのは痛ましい。

 PTAでは、男性はその相互監視から少しだけ自由。僕がうらやましいと思う事例のリーダーも大抵男性です。男性の方が意思が強いというわけではなく、単に想定外なだけ。いわゆるイクメンたちも、素のままでPTAに放り込まれたら、過剰適応してPTAの論理に染まり、自己規制を始める人が多いと思う。

 小手先でなくPTAを根本的に改善しようとする人たちには、心からエールを送る。がんばれ! ただ子どもとの時間を犠牲にするくらいなら逃げてもいい。PTA問題は社会を反映していて、内側からは解決が難しいこともある。男女とも子どものために仕事を休めて学校に足を運ぶのが当たり前、の社会の実現と、肥大化したPTAの整理は表裏一体かもしれない。

 (聞き手・堀内京子)

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 かわばた・ひろと 日本テレビの記者を経て作家。2児の父として小学校のPTA活動にかかわり、07年度は副会長も務めた。ブログで問題提起しつつ、「PTA再活用論」(中公新書ラクレ)の著書も。

 ◇あすも『PTA 私の論点』

 ◇http://t.asahi.com/forum別ウインドウで開きますで「どうする?PTA」のアンケート中です。ご意見はasahi_forum@asahi.comメールするか、〒104・8011(住所不要)朝日新聞オピニオン編集部「PTA」係へ。

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