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 声や音、そして「うた」。意味を超え記憶を揺さぶる空気の振動を、著者は豊かな表現で言葉にする。読者をのみ込まんとするイメージの奔流。

 廃寺に繁茂するコケの上に置かれた赤ん坊「なにか」。泣き声を聞いた人は、精緻(せいち)に彫られた角笛の響きや渓谷を吹く烈風を思い起こした。同時に、総毛立つ感覚も抱き…

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