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 有料老人ホームによっては、認知症になると退去しなければならない場合があるとのことですが、それは困ります。終(つい)のすみかを探すにはどうしたらいいでしょうか。

 認知症が進行すると、退居を求められる有料老人ホームが一部にあります。精神科病院に入院させられるなどして、介護施設である有料老人ホームでは面倒を見ることができない病気になったという理由をつけてくることが多いようです。

 本当に重大な病気であれば老人ホームでは対応できませんが、認知症は長生きをすれば多くの方がなりますから、そこにはホームの介護力の差がでます。

 その差は素人にはわかりにくいのですが、いくつかのホームを見学して比較していくうちに見えてくるものもあります。見学する際のポイントをいくつかあげましょう。

 まず、大浴場やリハビリルーム、共用トイレなど、誰もが使う共用部分の清掃や整理整頓の状態を確認します。整理整頓が大切なのは、ホテルやレストランと変わりがありません。基本ができていなければ、入居者一人ひとりへの対応がきちんとできるはずがありません。

 最初は自立型のホームに入る場合でも、介護が必要になった時に移る介護棟は必ず見学します。ホームによっては介護棟の扉の前で簡単な説明をするだけのことがありますが、それは自信がない証拠です。自信があれば、プライバシーを侵害しない範囲ですべての部屋を案内し、それぞれについて説明してくれます。

 職員の姿勢は食事介助の場面を見学すると一番よく分かります。一口ひと口、食べ物をのみこんだことを確認してから次の食べ物を口に運んでいるかどうかを見てください。入居者のペースに合わせて介助をしているかどうかがわかります。

 中には、ホームに入ったとたんに、汚物の悪臭や消毒薬の強い臭いがするホームもありますが、それは十分な職員が確保できていないことを意味しています。介護職員は多いに越したことはありませんが、人数だけでは判断できません。少ない職員数でも一人ひとりに介護力があって、通常は週2回の入浴が週3回あるホームもあります。

 ホームの職員の言葉づかいなどから職員の資質もわかります。そのためにも見学は個人で行くことです。バスツアーのような見学会はホームを運営する企業側の思うつぼです。団体行動になるため、営業担当者が見せたいところだけを案内して終わりにされる可能性があります。

 あきらかな誇大広告で高齢者を惑わすようなパンフレットもあります。高齢者は誇大広告でもうのみにしがちです。インターネットにも情報があふれていますが、ネットの情報は実質的に広告であることも多いので、注意して読むようにしましょう。

 契約する時には、契約書に書かれていなくても、少しでも不安があればそのままにしないことです。その内容について念書を書いてもらい、代表者の判をもらいます。10年以上前になりますが、有料老人ホームの建物が完成する前に一時金を支払うことになり、「建物が完成せず入居ができない場合は、支払った一時金を全額、返還すること」という念書をもらった人だけに、一時金が全額返金されたことがあります。

 (「介護情報館」館長 中村寿美子)

 =全10回

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