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 十一の一

 御米のぶらぶらし出したのは、秋も半ば過ぎて、紅葉(もみじ)の赤黒く縮れる頃であった。京都にいた時分は別として、広島でも福岡でも、あまり健康な月日を送った経験のない御米は、この点に掛けると、東京へ帰ってからも、やはり仕合せとはいえなかった。この女には生れ故郷の水が、性(しょう)に合わな…

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