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 87歳の叔母は腰痛がひどくて家事や買い物が思うようにできなくなり、介護保険のサービスで食事の下ごしらえを頼みました。ところが、元気な叔父の分はやってもらえず、不満に思っています。

 介護保険のサービスを使い始めた人からよく聞く苦情です。今回は、介護保険のサービスを使うための基本的な注意点をお伝えします。

 まず、介護保険を使えるのは要介護認定を受けた人だけです。そのため、同居の家族であっても要介護者でなければ食事はつくってもらえません。2人暮らしの夫婦がともに要介護なら、掃除などの家事の支援を頼めますが、元気な人が同居していれば、介護保険のサービスとして家事を頼むことはできません。

 介護保険は利用者が自己負担するのは一部で、40歳以上の人が払う保険料と税金が残りを負担して成り立っています。元気な人が同居しているのに、お手伝いさんのように使われると、保険料などの負担が上がってしまいます。介護をしながら家事もすることが大変なことはわかりますが、不便であれば、自費で頼むことになります。

 訪問介護サービスで来るヘルパーは、いつも同じ人とは限りません。契約した事業所に所属する複数のヘルパーが交代で来ることが多くなります。勝手を知った人がいつも来るわけではありません。介護保険にはいろいろなルールがあり、思うようにならないことも多くあります。どうしても自分の思うようにしたいことがある場合は、介護保険のサービスの中に自費で頼むサービスをうまく組み合わせましょう。

 ほかに、介護保険を使い始めた人が知らないことが多いのはリフォームの費用です。介護が必要になると、玄関やトイレなどに手すりがあると助かります。介護保険からは、こうしたリフォームの費用も20万円まで出ます。利用者はその1割(高額所得者は2割)を負担します。20万円までなら、何度かに分けて使うこともできるので、必要に応じて使いましょう。

 要介護1から4になるなど、要介護度が3段階以上あがると改めて20万円のリフォーム枠が使えるようになります。転居しても、新たに20万円の枠が使えるようになります。ただし、それも要介護認定がなければ使えません。要介護認定の前に工事をすると、介護保険の対象にならないので、注意しましょう。

 在宅生活を支える福祉用具も介護保険の対象です。自宅では風呂場の事故が多いので、要介護認定が出たら介護用のシャワーチェアを買うと便利です。福祉用具の購入は年間10万円が限度で、1割か2割の自己負担で買えます。車椅子や電動ベッドなどの福祉用具は借りることもできます。ケアマネジャー(介護支援専門員)と相談して決める介護計画の中に位置づけ、介護サービスと合わせて月間の介護保険の利用限度額の範囲で使うことができます。

 介護保険は、日本中で同じサービスが使えるわけではありません。例えば、「小規模多機能複合型居宅介護サービス」は、看護師もヘルパーも来てくれ、昼間預かるデイサービスや短期間宿泊するショートステイも使えて便利ですが、事業所としては採算が取りにくく広がっていません。ケアマネジャーと相談して、使うことができるサービスから上手に選んで組み合わせていきましょう。(全10回)

 (「介護情報館」館長 中村寿美子)

 <訂正して、おわびします>

 ▼8日付リライフ面「なるほどマネー 介護保険を使う(4)」の記事につく図で、「介護保険を使って買うと便利な介護用品」として、車いすを挙げたのは誤りでした。車いすは借りることしかできません。また「借りられる介護用品」の条件で「要介護1以上」とあるのは「要支援1以上」の誤りでした。確認が不十分でした。

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