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 熊本県などでの一連の地震で、県は20日、避難生活が原因とみられる死者が11人いたと発表した。市町村が「災害関連死の可能性がある」として県に報告した人数をまとめた。一方、気象庁は16日未明に起きたマグニチュード(M)7・3の地震でも同県益城(ましき)町と西原村で最大震度7を観測していたと発表した。

 災害関連死は、災害による「直接死」ではなく、ショックや避難生活の疲労など間接的な原因で亡くなること。県によると、11人は、熊本市7人▽阿蘇市1人▽御船町1人▽益城町2人。関係自治体などによると、年代別では50代2人▽60代2人▽70代3人▽80代3人▽90代1人。

 熊本市によると、7人のうち5人は16日午前1時25分の「本震」から半日以内に死亡した。午前1時52分には東区の女性(67)、午前2時18分には北区の女性(88)が避難していた車の中で心肺停止状態で見つかった。ほか3人はいずれも男性で、自宅で倒れていた。17日には西区の女性(99)が高齢者施設内で死亡。18日には西区の女性(51)が肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)で死亡したという。

 御船町によると、町内の60代女性は本震後に呼吸が乱れ、病院で死亡が確認された。親族の女性によると、エコノミークラス症候群が引き金となる急性心筋梗塞(こうそく)が死因と診断された。

 益城町は同町平田地区の倒壊家屋で16日に見つかった女性(83)と、男性(77)の2人について災害関連死の可能性があると県に報告。しかし町は20日、女性の死因は出血性ショックで地震が直接の原因、男性は死因が致死性不整脈で関連死か判断がつかないとして、2人とも関連死の疑いから除くよう県に求めたという。

 県によると、20日午後1時半現在、県内35市町村623カ所の避難所に約9万2千人が避難している。

 ■死者48人に 新たに1人確認

 複数の住宅が土砂災害に巻き込まれた南阿蘇村河陽(かわよう)の高野台地区では20日、自衛隊などの捜索隊が夜通しで安否不明者の捜索を続けた。同日朝に心肺停止状態で見つかった男性は死亡が確認され、同地区の前田友光さん(65)と判明した。地震による直接の死者は計48人、村内の安否不明者は2人となった。

 高野台地区では住宅4棟に土砂が流れ込み、2棟が半壊。高野台地区では前田さんを含む4人が死亡し、男性とみられる1人の安否が分かっていない。

 自衛隊は24時間態勢で捜索を続けるが、21日の県内は激しい雨が降るとみられており、状況を見ながら捜索の可否を判断する。

 一方、県警は南阿蘇村長野の「ログ山荘火の鳥」付近で19日に見つかり死亡が確認された女性について、香川県東かがわ市の鳥居洋子さん(37)と発表した。すでに死亡が確認された夫敬規(たかのり)さん(42)と旅行で訪れていたという。また、16日未明の本震直後に熊本県八代市松崎町であったアパート火災で死亡した女性は小田住江さん(78)と分かった。

 ■被害状況(九州全県)

 <人の被害>

死者      48人

関連死疑い   11人

安否不明     2人

負傷者   1152人

避難者 9万2541人

 <建物>

全壊・半壊 2778棟

 (20日午後6時現在。警察、熊本県などの発表を元に作成。死者、関連死疑い、安否不明、建物は熊本県内)

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