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 日本と韓国が、互いの防衛情報を日ごろから交換しあうための合意を結んだ。

 軍事情報包括保護協定(GSOMIA〈ジーソミア〉)と呼ばれるもので、情報を速やかに共有するための取り扱い方などを定めている。両政府が署名し、発効した。

 北朝鮮の核・ミサイル開発による脅威が深まっており、日韓は備えをいっそう高めざるをえない。アジア全体の安定に向けた両国の連携を強めるうえでも、この合意を生かしたい。

 韓国には、北朝鮮国内の動きをめぐる多種多様な重要情報がある。一方の日本には、潜水艦の監視などで韓国を上回る高度な情報収集力がある。

 ところが、これまでは米国を介して、互いの情報に接してきた。今回の協定により、日米韓の3国で北朝鮮の暴走を抑える態勢が強まる。

 トランプ次期政権の対外政策が見えにくいなか、米国だけによりかかる構造を改善し、日韓が隣国の連携を深めることは地域の安定にも役立つだろう。

 しかし、この協定を結ぶまでに年月を要したのは、韓国国内で反対や警戒の声が根強かったからだ。今でも協定を破棄する法案を出す動きや、国防相の解任騒動がおきている。

 円滑で継続的な運用には、日韓双方の世論の支持が欠かせない。そのことを両政府はしっかりと認識しなければならない。

 韓国では、朴槿恵(パククネ)大統領の不正疑惑で辞任を求める声が強まっている。その中で反対意見を押し切って締結の手続きを加速させたことも反発を強めた。

 この協定は4年前、当時の李明博(イミョンバク)政権でいったん合意しながらも、署名直前になって韓国側が辞退した経緯がある。

 政権存続に意欲を燃やす朴氏が、北朝鮮への備えの重要性を強調することで、自らに対する批判をかわそうとしている、と受け止められている。

 野党側は「売国の交渉だ」と強く反発しており、協定が政争の具となりつつあるのは残念というしかない。

 一方、朴氏の疑惑とは別に、反対意見の背景には、かつて朝鮮半島を植民地支配した日本に対する強い不信感もある。

 韓国政府、とりわけ国防当局は協定の早期実現を求めながらも、世論を気にして進められなかったというのが実態だ。

 韓国政府は、朝鮮半島の情勢をふまえ、日本との協力の意義を国民に丁寧に説明してもらいたい。日本側も、無用な誤解を避けるために、注意深い運用を心がけ、両国間の信頼づくりに努めるべきだろう。

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