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 冷戦下の1950年代、米ソの核開発に後れを取るまいと、英国も核実験を繰り返した。実験の場は、旧植民地オーストラリアの内陸部。先住民アボリジニーが暮らす土地だった。最後の実験から60年の今年、豪政府はようやくアボリジニーへの医療支援を発表した。人々は「遅すぎた支援」を嘆きつつ、苦い記憶を受け継ごうとしている。

 豪南部グレートビクトリア砂漠の南端、マラリンガ。約60年前、少年だったサニー・ペッパーさんは、軍のトラックの荷台に乗った、自分と同じアボリジニーの人々に遭遇した。

 「ここから避難しろ」。そう言われ、同じトラックに乗せられた。理由を説明された記憶はない。先祖から受け継いできた土地から強制的に移住させられたのは、約180キロ南方の見ず知らずの土地だった。避難後のある日、爆発音を聞き、揺れを感じた。「世界中に響き渡るような音だった」。後に英国の核実験だと知った。

 自分の生年月日を知らないペッパーさんは現在、およそ70歳。今や数少ない核実験を知る一人だ。

 豪州での計12回の核実験のうち、9回がマラリンガ周辺で行われた。また実験と並行して、爆発時の核物質の反応などを調べる小規模な…

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