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 サンマ、カツオ、クロマグロ、ウナギ……。漁業をめぐり、魚が減ったり、不漁が続いたりといったニュースが相次いでいる。原因には魚種によって違いもある。だが、魚介類を末永く食べ続けるために、乱獲を防ぐ資源管理が欠かせないことは共通している。

 水産庁が今春まとめた水産基本計画は、「資源管理の充実」を柱の一つに置いた。日本全体での年間の漁獲量に枠を定める「漁獲可能量」制度の対象とする魚種を増やすことや、漁業者ごとに枠を配る「個別割り当て」の活用も検討するという。

 方向性は妥当だ。

 日本の資源管理は、漁業者間の話し合いに基づく自主的な規制を重視してきた歴史がある。魚の種類も取り方も多様であることなどが背景にあった。

 しかし、日本周辺の50の魚種でみると、半分近くが過去と比べ資源量が低位とされる水準にある。漁獲量も減る傾向が続き、漁業自体がじり貧になりかねない。自主的管理の利点は生かしつつ、公的な数量管理の強化を早急に進めるべきだ。

 「漁獲可能量」は国際条約を踏まえた法律に基づく仕組みで、1997年に導入された。違反には罰則もある。ただ、対象は98年に7魚種になった後、増えていなかった。かつては生物学的な分析で適切とされる量を上回る枠を設ける例もしばしばあり、取り組みが遅れてきたと言わざるをえない。

 後手に回った典型が、太平洋クロマグロだろう。国際的に約束した日本の漁獲上限を守れず、承認を得ない操業や漁獲の未報告も相次ぐ中で、ようやく来年から漁獲可能量の対象に加えられる。だが、地域や漁法、規模など、様々な漁業者がいる中で、どのように公平で実効的な規制を実現できるのか。やっと試行錯誤が始まった段階だ。

 「個別割り当て」は、早い者勝ちの先取り競争を防ぐ仕組みの一つだ。漁獲量の順守や、計画的・効率的な漁の実現につながるとも指摘されるが、日本での実施例はごくわずかだ。本格導入に向けて議論を深めたい。

 5年前につくられた前回の基本計画でも、こうした制度の拡大は検討対象とされた。だが、その後の進展はほとんどなかった。具体化に向けた工程表をつくることも考えてはどうか。

 海は世界でつながっており、資源を守るには国際的な協調も不可欠だ。カツオなどは世界的な乱獲が心配されている。他国に資源管理の強化を求めるためにも、まずは漁業大国である日本自身が範を示す必要がある。

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