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 神戸市が持つ神戸空港の運営権が、関西、大阪(伊丹)両空港を運営する関西エアポートと、親会社のオリックス、仏バンシ・エアポートの3社連合に売却される。来年4月から、3空港の一体運営が実現する。

 25キロ圏内にひしめく3空港は足の引っ張り合いが絶えず、関西のまとまりのなさと、国の放漫な空港政策の象徴と目されてきた。

 外国人観光客が増え、昨年から関空と伊丹を運営する関西エアの業績は好調だ。一方、06年に開港した神戸空港の利用者数は事前の需要予測に一度も届かず、伸び悩んだままだ。

 3空港にはそれぞれ特性がある。どう有効活用すれば関西全体の浮揚をはかれるか。関西エア側には、民間ならではの柔軟な発想と素早い施策展開を期待したい。国や地元も結束して側面支援に努めてもらいたい。

 42年間の運営権の対価として市が得る基本額は191億円。空港島の造成などで投じた総事業費3140億円の1割に満たず、多額の借金が当面残る。

 神戸市は70年代に市域での新空港建設に反対した。だが80年代以降は独自で空港をつくる方針に転じた。95年に阪神大震災があり、市民の強い反対運動も起きたが、押し切った。

 運営権売却で過去のツケが消えるわけではない。市は責任を改めて重く受け止めるべきだ。

 神戸空港には、発着は国内線のみ、1日30往復までという制限が課せられている。海上にあるので24時間発着が可能だが、現行の運用時間は午前7時~午後10時だ。いずれも、関空や伊丹との「すみ分け」のため、地元で合意したルールだ。

 地元の経済界や関係自治体は国とともに、ルールの見直しに向けた議論を始める方針だ。

 過去は3空港の地元の利害が対立し、不協和音が絶えなかった。今度は関西全体にとって最適なあり方をめざすことに徹するべきだ。運営を託す関西エア側の考えを尊重し、新たなルールを定めていくのが望ましい。

 東京と大阪を1時間強で結ぶというリニア中央新幹線が建設されれば、関西の3空港、特に伊丹への影響は必至だ。将来も見据えた長期戦略も併せて練っていく必要がある。

 空港民営化は各地で進む。仙台が昨年7月から民営化され、高松も来年4月に続く予定だ。北海道や福岡県では、複数の空港を民間が一括して運営する構想が動いている。

 日本で民営空港は定着するか。関西3空港の一体運営の成否が試金石となってこよう。

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