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 海に流れ込んだ微細なプラスチックが生態系を脅かしている。危機感を持って対策を急ぐ必要がある。

 世界の海で、大きさ5ミリ以下のマイクロプラスチック(MP)の検出が相次いでいる。

 主な発生源は、陸域に捨てられたペットボトルやレジ袋といったプラスチック類だ。雨で流され、川を経て海へ出ると、波や紫外線の作用で細かく砕かれる。洗顔料や化粧品などに配合されている微粒子や、プラスチック素材の衣服から洗濯で流れ出る繊維も多いという。

 MPは、海底に堆積(たいせき)しているポリ塩化ビフェニール(PCB)のような有害物質を吸着しやすい。魚介類が誤って摂食することもわかっており、食物連鎖で人間や他の生物に悪影響が出る恐れが指摘されている。

 ダボス会議で知られる世界経済フォーラムは昨年、少なくとも年800万トンのプラスチックが海に流出しているとの推計を示し、2050年までに海中のプラスチック量が「世界中の魚の重量を超える」と警告した。

 今年6月にあった主要7カ国(G7)環境相会合は「地球規模の脅威だ」と訴えた。

 海中に漂うMPの回収は不可能に近い。プラスチックごみの流入を抑えることが急務だ。

 環境省の調査では、日本周辺海域で世界平均の27倍ものMPが検出されている。中国やインドネシア、フィリピンなどアジアのごみが海流の影響で集まっている可能性がある。一方、日本由来のごみも北米や太平洋の島々に多く漂着している。

 日本は近隣諸国との協力強化に動いているが、日本国内からのプラスチックごみを大幅に減らす取り組みも求められよう。

 海外では身の回りのプラスチックを減らそうとする動きが進む。欧州連合は14年、レジ袋の使用量を1人年40枚以下にする目標を打ち出し、フランスは昨年、配布を禁止した。米国では15年、微粒子を配合した商品の製造を禁じる法律が成立した。

 日本では年平均で1人300枚のレジ袋を使うとされるが、削減策は流通事業者と自治体任せだ。微粒子も、化粧品の業界団体が昨年3月、自主規制を呼びかけたにとどまる。

 MP問題に詳しい高田秀重・東京農工大教授は「消費者はもっと関心を」と訴える。買い物時はバッグを持参し、レジ袋は断る。微粒子入りの商品は避ける。消費者が意識を持って行動すれば、生産者や流通事業者、国も動かずにいられなくなる。

 一人ひとりの問題として、できることを考えたい。

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