[PR]

 学校法人・森友学園への国有地売却問題で、財務省近畿財務局が学園側に「いくらなら買えるのか」と、支払い可能額をたずねていた――。複数の関係者が朝日新聞にそう証言した。

 財務省の佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長は国会で「(価格を)提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」と述べたが、虚偽答弁だった可能性が出てきた。

 意図的なうそであれば国民を愚弄(ぐろう)する話で、隠蔽(いんぺい)にも等しい。説明が事実と違う疑いが浮上した以上、同省は交渉の詳細を示し、価格決定にいたる経緯を説明する責任がある。

 問題のやりとりは、学園の前理事長の籠池泰典(やすのり)容疑者が土地購入を申し入れ、代理人弁護士を通して近畿財務局などと去年3月に協議した際のものだ。

 学園側は「新たなごみが見つかった」とし、「できるだけ安く買いたい」と伝えた。これに対し財務局は地中の埋設物の除去費として、国費で1億3千万円をすでに負担しており、「それより安くはならない」と説明、学園側は「払えるのは1億6千万円まで」と具体的な希望額を明示していた。

 約3カ月後に売却された価格は1億3400万円。学園側の希望をかなえ、財務局の示した「下限」に近い額だった。

 改めて指摘しておきたい。

 この土地の更地の鑑定価格は9億5600万円。財務局はここから、ごみ撤去費として8億1900万円などを値引いた。

 国民の共有財産である国有地を処分する場合、厳正な手続きや審査を経て契約内容を決めるのが筋だ。今回、借地契約から売買に切り替え、10年の分割払いを認めたのも異例だった。

 国は「適正に処理された」と説明し、学園への「特別な便宜」を否定する。ならば、誰がいつ、どんな交渉をして決めたのか、つまびらかにしてもらいたい。

 値引きの根拠になったとされる21枚の現場写真によると、「新たなごみ」の判別が困難なばかりか、国が国会で説明した「深さ3・8メートル」まで大量のごみが埋まっている状況は、とても確認できない。価格の目安を先に決めた上で、それに合わせるようにごみ撤去費を積算した疑いがぬぐえない。

 安倍首相は今月の内閣改造後、「謙虚に、丁寧に、国民の負託に応える」と述べたが、野党の求める国会の早期召集には応じていない。一日も早く国会を開き、佐川氏や、学園の小学校の名誉校長を務めた首相の妻の昭恵氏らを招致すべきだ。

こんなニュースも