[PR]

 年齢や性別、そして障害の有無を問わず、広く人々が関心や適性に応じてスポーツを楽しめる環境をどう整えていくか。

 東京パラリンピックの開幕まで3年を切った。大会を成功させ、スポーツにおける「共生社会」を実現するため、残された準備期間をフルに活用したい。

 昨年のリオデジャネイロの大会では、様々な競技で多くの選手の活躍が報じられ、パラリンピックへの関心が高まった。

 だが、日々の生活の中で障害者スポーツに接し、考える機会がどれほどあるかというと、まだまだ寂しいのが現実だ。

 そうした状況を変えようという取り組みが進んでいる。

 今月31日に開幕する車いすバスケットボールの国際大会は、東京体育館で有料で開かれる。多くの人に見てもらうには設備が整った会場が必要だ。借りるには結構なお金がかかる。そこでチケットを売って、資金を調達しようという試みだ。

 以前は、「お金がないのだから観客席などがない施設でもやむを得ない」というのが、障害者スポーツの世界では当たり前だった。3年前、発想を逆転させ、ブラインドサッカーの世界選手権を初めて有料化した。

 「見るスポーツ」として成り立たせることが、客を呼び、選手の自信となり、競技力の向上につながり、また客を呼ぶ。この循環を大切にしたい。

 2年前に設立された「パラリンピックサポートセンター」への期待も大きい。

 専用の事務所もスタッフもない競技団体が多いなか、センターが経理や通訳の業務を一括して引き受ける。パラリンピック終了までの期間限定の組織だが、各団体はそれまでに企画や広報、スポンサーの確保といったノウハウを身につけ、「大会後」に備えてもらいたい。

 理解のすそ野を広げる努力も忘れてはいけない。

 近年、各競技団体は全国大会の開催にあわせて、会場近くの小学校を訪れ、選手が講演したり、子どもたちと一緒にプレーしたりする場をもつようにしている。授業に使える副読本やDVDも作った。こうした積み重ねの上に大きな花が咲く。

 最近の成功例とされる12年のロンドン大会では、270万枚の入場券が完売した。事前の報道なども手伝って、「見てみたい」「応援したい」という分厚い層が形づくられたことが大きかったという。

 大事なのは、障害者と健常者との距離を縮めることだ。20年の大会では、五輪以上にこの社会の成熟度が試される。

こんなニュースも