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 2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、9月3日から毎週日曜日、トップ選手の小さいころの体験を紹介する新連載「未来ノート―202Xの君へ―」を始めます。毎月1人にスポットライトを当てて、小さい頃に取り組んだこと、保護者や恩師のこだわりなどに迫ります。連載に登場予定の選手のうち、プロ野球・日本ハムの大谷翔平、テニスの錦織圭(日清食品)、陸上短距離の山県亮太(セイコー)、卓球の平野美宇(エリートアカデミー)の4人を紹介します。

 

 ■23歳の今も、もっとうまくなりたい 大谷翔平

 大谷は小さい頃、バドミントンに親しんだ。母が国体出場の経験もあるバドミントン選手だったからだ。スイミングスクールにも通った。クロール、平泳ぎ、背泳、バタフライ、4泳法は今も泳げる。そして小学2年生の秋、本格的に野球を始めた。

 「父も、7歳上の兄も野球をやっていましたし、家には普通に野球道具がある環境でした。他のスポーツもしましたが、ずっとやっていくのなら野球だな、という思いはありました。親から『やれ』とは言われていません。自然とやっていたので」

 父はかつて、社会人野球の選手だった。小学校時代は入団した硬式野球チームのコーチ、中学生時代は監督として父から直接指導を受け、基礎を学んだ。身近な存在が指導者だと、どうしても厳しくなりがちだが、大谷の場合は違った。

 「父がチームの監督だったので、僕だけ個人的に、というわけではなく、他のメンバーと同じ練習をしていました。家でもそんなに……。常にバットとかボールは持っていましたけど、やりたかったらやるし、めんどくさかったらやらない。普通の感じでした」

 締め付けられることなく、のびのびと指導を受けたから、野球を嫌いになることはなかった。チームの練習は、基本的に土曜と日曜日だけだったので、週末が来るのが楽しみで仕方がなかったという。

 「僕の場合、野球を始めたのが早かった。チームに入る前から、キャッチボールとかしていましたし。始める時期が早かったから、人よりもうまいし、できるんだ、というものが最初からあった。そういう気持ちも、長く続けられる要因になるんじゃないかと思う。最初から野球があったというのは、僕にとってラッキーでした」

 花巻東高校(岩手)で、本格的に投打を磨き、プロ野球へ。大リーグ挑戦と悩み抜いた末の決断だった。大人になっても、ひたむきに野球と向き合う。例えば、試合後は夜の街に繰り出すこともない。

 「野球は、やれてあと20年。できるうちに、身につけられる技術を、なるべく一つでも多く、自分のものにしたい。野球の答えを一個でも多く見つけて、次の人たちにつなげたい。もったいない時間を、なるべく過ごしたくないです」

 もっとうまくなりたい。大谷は23歳になった今も、野球少年のままでいる。(山下弘展)

 

 ■小6で「テニスで世界一」 錦織圭

 今、逆境のふちにいる。8月16日、右手首の腱(けん)のけがで今季の残り大会を欠場することを発表した。復帰の時期はわからない。当分、ラケットを握れない。試練は過去にもあった。2009年に右ひじを手術し、約1年実戦から遠ざかった。絶望のふちからはい上がり、14年の全米オープン準優勝など世界ランキング4位まで駆け上がった。

 5歳でテニスを始め、小学校6年のころには、将来の夢に「テニスで世界一になりたい」と書いた。その純粋な情熱は、13歳で米国にテニス留学し、プロになってからも変わらない。多彩なショットを繰り出すプレーは華麗だが、天才肌ではない。夢をかなえるために、愚直に練習を積み重ねてきた。努力の人だ。

 

 ■「速く走る」理詰めで追求 山県亮太

 スポーツの原点、「速く走る」を競う陸上の男子100メートルで、今、日本で最も強い選手の一人だ。伊東浩司の持つ日本記録10秒00は19年近く破られていない。日本人初の9秒台を狙うライバルは桐生祥秀(東洋大)、サニブラウン・ハキーム(東京陸協)ら個性豊かだ。その中で、持ち味は研究熱心さ。五輪本番でも練習でも、走り終えるごと、必ず映像で自分の走りを確認する。

 慶大出身の25歳。走るという単純な動作を理詰めで追求する姿勢は、幼い頃の家庭学習でも育まれた。自宅の白板で厳しく勉強を教え込まれた。中学受験で中高一貫の男子高に進んだ。自分で練習を考えたいと、陸上の強豪ではない慶大を進学先に選んだ。

 

 ■ラケット握れば超攻撃的 平野美宇

 夢は「東京五輪で金メダル」。今年、急成長した。世界選手権の女子シングルスで、スピードあふれる超攻撃的な戦い方で日本勢48年ぶりのメダル(銅メダル)を手にした。アジア選手権では、世界最強の中国選手を次々と倒して優勝。全日本選手権も史上最年少の16歳9カ月で制した。

 3歳で母の真理子さんが自宅で開く卓球教室に「入りたい」とせがんだ。それから、こうと決めたらやり通す姿は変わらない。昨年のリオデジャネイロ五輪の代表になれなくても、くじけなかった。「二重人格はすてきだ」という言葉に出会い、おっとりとしていた性格がラケットを握ると顔つきが変わるように。戦い方も超攻撃的になり、大きく飛躍した。

 

 ■目標と日々の達成度を記録 スクラップブック無料配布

 スポーツ選手たちが小さいころに何を考え、何を支えに努力してきたのかを紹介して、読んでくれた子どもたちが夢や目標を持って努力することの大切さを知ったり、周りの人への感謝の気持ちを抱いたりしてほしい――。今回の新連載には、こんな願いを込めています。

 読者の皆様には、毎週の連載を切り抜いて貼るスクラップブックを無料で差し上げます。子どもたちの1週間の目標と、日々の達成度を書き込むことができ、スポーツや勉強で大切な継続力が身に付きます。家族のコメント欄もあり、親子の連絡帳代わりにも活用できます。2010年1月から始まった人気コーナー「しつもん! ドラえもん」をスクラップしながら、日記が書けるページもあります。

 スクラップブックは、お近くのASA(朝日新聞販売所)や、イベント会場で配布します。インターネットの特設ページ(http://t.asahi.com/mirainote別ウインドウで開きます)で、イベントやスクラップブックについて詳しく紹介しています。「未来ノート 朝日新聞」で検索してください。

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