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 二十代半ばの頃、美しい女優さんが書いた短篇(たんぺん)を読んだ。ヒロインが予定外の外泊をする。翌朝、メイク道具を持っていなかった彼女は、その部屋にあるさまざまなものを駆使していつも以上に美しくメイクする。美への執念に感心しつつ、その得意顔を想像すると、戦慄(せんりつ)さえ覚えた。

 それからしばら…

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