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 民進党から離党する国会議員が相次いでいる。

 新代表に前原誠司氏を選んだばかりで、なぜ離党なのか。あきれる国民も多いに違いない。

 離党騒ぎが揺さぶるのは、民進党の行く末だけではない。

 日本の政治に「もう一つの選択肢」が必要だ――。1980年代末から、積み重ねられてきた政治改革が後戻りしかねない現実を、民進党の議員たちは自覚すべきだ。

 たしかに、どの党に所属するかは議員それぞれの政治判断による。

 ただ、理解できないのは、民進党の不人気をひとごとのように語る姿だ。自分自身に責任はないのか。ことあるごとに自ら選んだリーダーの足を引っぱり、離党騒ぎを繰り返す。そんな現状こそが党の低迷を招いた大きな要因ではないか。

 その反省も総括もないまま、民進党はもうダメだと言い募るような態度では、有権者の共感は広がるまい。

 選挙の際に党の看板で一票を得たことを忘れたのか。とりわけ党名投票の比例代表枠で選ばれた議員が、議員辞職をせずに離党できることに釈然としない有権者も多いだろう。

 離党した議員たちは、東京都の小池百合子知事を支持する勢力がめざす新党との連携が取りざたされている。7月の都議選で吹き荒れた世論の風を受けたいという本音が透けて見える。

 だが、新党の理念や政策はまだ見えない。特定秘密保護法や安全保障関連法に賛成した小池氏の政治姿勢を見れば、新党が第2自民党のような存在になる可能性もある。

 小選挙区制を中心とする衆院選挙制度が導入されて20年余。旧民主党政権が実現し、政権交代可能な政治が幕を開けたかに見えた時期もあった。一方で、多くの野党が生まれては離合集散のなかで消えていった。

 民進党が野党第1党である以上、その使命は重い。理念や政策を明確に掲げ、政権を監視し、腐敗や慢心があれば代わりうる受け皿となる役割がある。

 だが、たび重なる離党騒ぎは党の体力を奪う。結果として、政治の緊張感は失われ、自民党政権を利するだけだ。

 旧民主党は結党から政権獲得までに11年間を要した。旧民主党政権の挫折で失った有権者の信頼を、民進党が取り戻せるか否か。いずれにしても長い時間を覚悟せねばならない。

 野党第1党の責任から目をそらし、風頼みの新党に頼る。それは一連の政治改革の歩みに逆行する姿勢だと言うしかない。

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