(終わりと始まり)絶望の一歩手前で それでも、愚直に選ぶ 池澤夏樹

有料会員記事

[PR]

 秋になって、讃岐から栗が届いた。

 まずは栗ご飯と思ったが、その前に栗を剥(む)かなければならない。

 熱湯に放り込んで三十分、笊(ざる)に上げて、卓上に包丁とまな板を用意する。

 固い鬼皮はまあ楽にカパッと剥ける。その先の甘皮がなかなか大変。実に密着しているから包丁で丁寧に分けるしかない。大雑把…

この記事は有料会員記事です。残り1776文字有料会員になると続きをお読みいただけます。