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 日本新聞協会と全国の会員新聞・通信・放送社は、今回で70回目の「新聞週間」を機に、タレントの井ノ原快彦さん、作家の湊かなえさんに新聞の魅力や大切さについて話を聞いた。新聞を使った教育の普及に取り組む日本新聞協会の関口修司NIEコーディネーターは、子供の学力向上に新聞が果たす役割について語った。

 ■情報、かみ砕いて読もう タレント・井ノ原快彦さん

 7年前からNHKの情報番組「あさイチ」でキャスターを務めている。番組の中でのやりとりやコメントは実は全てアドリブだ。企画内容を前もっていろいろ調べたり、事前に準備をしたりしたことは一度もなく、情報は全て番組の中で集めている。

 あさイチに起用された時に「視聴者側の視点」を求められた。だからこそ、知らなくて当然。知ったかぶりをするのはやめようと思っていた。知らなければ聞けばいい。「知らないことが罪」という空気もあるけれど、知らないと言えることも貴重だと思う。

 バサバサと新聞を広げる音やインクのにおいに懐かしさを感じる。紙面の情報量が決まっているから「このニュースは一番最初に持ってきたかったんだろうな」と全体の中での位置を確認できる。自分は全体像を知りたいたち。例えば地図も日本地図を見て少しずつ拡大してここの部分だって確認したい。新聞は世の中の動きを少し引いて見られるからいい。

 ネットでは求めている情報を手軽に得られるようになった。でもその中にどれだけの情報が入っているかは計り知れない。自分の発言がほめられていることもあるが、「ほめられるようなことを言っていないのにな」と思うこともある。ネット自体を否定するつもりはないが、いきなりこれだけを見たら誤解するだろうなという記事が多い。そのような記事が多くなる裏をよく考えたら、真に受けずに、必要な情報だけを選ぶことができると思う。

 生きる上で大切なこととか人の名誉に関わるようなことは、情報をもう少しかみ砕いて読んでほしいと願っている。

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 いのはらよしひこ 1976年東京都生まれ。95年に人気グループ「V6」のメンバーとしてデビュー。ドラマやバラエティー番組、舞台などで活躍し、「イノッチ」の愛称で親しまれる。2010年からNHK朝の情報番組「あさイチ」のキャスターを務める。

 ■知らないこと、多いんだ 作家・湊かなえさん

 今年、初めての新聞連載小説に挑戦した。新聞8紙に掲載の「ブロードキャスト」。若い人たちに新聞を読んでほしくて、高校の放送部の物語にした。

 どこと特定はしていないけれど、都会じゃなく地方の物語。10代の人には自分と重ねて読んでほしいし、大人の人にも身近にある学校と置き換えて読んでもらえたらうれしい。

 大学生の頃、新聞の1面トップの記事の見出しと最初の段落を、毎日手帳に書き写していた。私のアパートにはテレビがなく、まだインターネットも普及していない頃だった。世の中で起きていることを知るにはほぼ新聞しかなかったから、1面だけでも追いかけていれば、ある程度のことが分かるんじゃないかという気持ちだった。

 高校生の娘はあまり新聞を読まない。周りの子供たちもそうなんだろうなと思う。テレビもあまり見ないけれど、ネットの動画サイトを熱心に見ることも。情報の仕入れ先がネット中心になってきたと強く感じる。ネットなら知りたいことしか調べないけれど、新聞は広げたら興味があることや知りたいことは少ししかなくて、自分が知りたいことは全体のたったこれだけなんだと気付かせてくれる。知らないことがまだまだ多いと知ることが、大切なんじゃないかと思っている。

 東京から発信されるニュースも大事だし、地元の新聞が発信する身近なニュースもとても大事だと感じる。私も地方に住みながら作家になり、今も地方で書いている。デビュー10周年を記念して、1月から47都道府県サイン会ツアーを始めた。来てくれた若い人たちが、自分も作家になれるかもって思ってくれたらうれしい。

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 みなとかなえ 1973年広島県生まれ。「聖職者」で2007年に小説推理新人賞、「告白」で09年に本屋大賞、「望郷、海の星」で12年に日本推理作家協会賞(短編部門)、「ユートピア」で16年に山本周五郎賞を受賞。兵庫・淡路島在住。

 ■子の「生きる力」育む 新聞協会NIEコーディネーター・関口修司さん

 少年時代、居間にはいつも新聞が置かれていた。新聞をまたぐと、父親から怒られたのを思い出す。

 楽しみに読んだのは、有名人の回顧録。新聞を通して、歴史が大好きになった。当時の夢は、漫画家かプロレスラー。結局、社会科が専門の小学校教師になったのは、新聞の影響だと思う。

 授業で新聞を使うと、子供たちの書く力が伸び、考える力も深まると実感してきた。次期学習指導要領の総則に、新聞活用が盛り込まれたのは、文部科学省が新聞の教育的効果を認めたからだ。

 新聞の魅力は、リアリティーがあり、タイムリーなニュースを子供たちに提供できるところ。テレビやインターネットなどと違い、紙面を繰るうちに興味のない記事も目に飛び込んでくるのは、新聞ならではの特性だ。たくさんの記事から読みたいものを選択できるので、主体性が育つ。うってつけの学習材だ。

 校長になってからは、気になった記事を見つけてコメントを書く「NIEタイム(新聞タイム)」に週1回、全校で取り組んだ。子供が主体的に取り組む活動なので、多忙な教員にもあまり負担がかからない。

 子供が家でニュースを話題にすることで親子の会話が増えた。さらに、学校の取り組みが記事になり、地域の理解者も増えた。

 教員が授業で新聞を活用するには、学校図書室の役割も大切だ。子供が学習しやすいようテーマ別にスクラップをするなど、学校司書、司書教諭らが工夫することで、大きな効果が期待できる。

 新聞を活用する学習は、学力向上にとどまらず、「生きる力」や人間性を育む。NIEコーディネーターとして、新聞が学校図書室に置かれるよう行政に働きかけている。子供と教員が新聞を手に取るきっかけを作りたい。

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 せきぐちしゅうじ 1955年東京都生まれ。東京学芸大学卒業後、都の公立小学校教員となり、その後、北区の小学校校長に。06年から「NIEタイム(新聞タイム)」を導入し、区内の全公立小中学校が新聞を使った学習に取り組む「新聞大好きプロジェクト」につなげた。16年から現職。

 ■幸せ感じた記事、募集します

 日本新聞協会は、新聞を読んでHAPPYな気持ちや、気付きを与えてくれた記事とコメントを募集している。2017年3月1日から18年2月4日までに、新聞に掲載された記事や写真、広告が対象。締め切りは2月5日必着。ただし、2月5日から28日付の記事は2月中も受け付ける。

 応募は、記事の切り抜き(記事を撮った写真も可)、記事を読んだコメント(200字から400字程度)と、掲載日、掲載紙名、朝・夕刊の別、郵便番号、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号を書き、〒100・8543(住所不要)日本新聞協会「HAPPY NEWS」係まで郵送。メール(happynews0406@pressnet.or.jp)やインターネット(http://www.yondoku.com別ウインドウで開きます)でも応募できる。

 作品の中から「HAPPY NEWS大賞」1件(現金30万円)などを決める。結果は、来年4月上旬の新聞紙面などで発表する。

 小中高校生は、親子やきょうだいなど家族単位でのみ応募可能。

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