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 沖縄の悲鳴と怒りに、衆院選にのぞんでいる政党・候補者は改めて耳を傾け、それをわがこととしなければならない。

 米軍の大型輸送ヘリコプターが東村(ひがしそん)高江の民家近くに不時着して炎上した。13年前に沖縄国際大に墜落した同系機だ。

 翁長雄志知事や地元の住民は強く反発している。政府が米軍に対し、原因の究明や飛行停止を求めたのは当然である。

 だが安倍政権はこれまで、その「当然」の措置すら、しばしばうやむやにしてきた。

 オスプレイが普天間飛行場に配備されて今月で5年になる。24機体制に拡充されたうちの1機が昨年末に名護市の海岸で大破した時も、「機体に問題はない」との説明を受け入れ、飛行再開をあっさり容認した。そして先月、米軍が政府に示した最終報告書は、意見や提言の欄がすべて黒塗りになっていた。

 普天間のオスプレイは今年になってからも、豪州沖で墜落して3人が死亡したほか、奄美大島、大分、石垣島などで緊急着陸をくり返している。

 いったい何が起きているのか。原因は人為ミスとして処理されることが多い。ではなぜ、こうもミスが続くのか。

 徹底解明を米軍に働きかけ、納得できる回答を引き出し、住民の不安や疑問にこたえる。日本の当局による検証や捜査を阻む原因になっている、日米地位協定の見直しに全力をあげる。それが政府の使命だ。

 しかし政権が米国に本気で迫ることはなく、衆院選の自民党公約にも「地位協定はあるべき姿を目指します」という中身のない一文があるだけだ。

 墜落の恐怖ばかりではない。

 ヘリが炎上した高江には、米軍が北部訓練場の半分を返還する見返りとして、この数年の間にヘリパッドが6カ所造成された。オスプレイもたびたび飛来し、12年度に567回だった60デシベル以上の騒音は、昨年度は6887回と激増した。低周波騒音に頭痛を訴える人も多い。

 夜間訓練や飛行ルートに関する取りきめはあるが、一向に守られていない。これが、政府がとり組んできたと胸を張る「沖縄の負担軽減」の現実だ。

 首相は「この国を守り抜く」と力説するが、「この国」のなかに、沖縄の人々の平穏な生活は含まれているのだろうか。

 「したい放題の米軍」「もの言えぬ日本政府」が続けば、民心はさらに離れ、沖縄に多くを依存する安保政策は根底からゆらぐ。沖縄が背負う荷をいかにして、真に軽くするかは、まさに選挙で問うべき重い課題だ。

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