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 最高裁判所の裁判官を市民がチェックする「国民審査」が22日、衆院選と同時に投票される。15人いる裁判官のうち今回は前回衆院選後に安倍内閣に任命された7人が対象。「憲法の番人」として、これまでどんな判断を示してきたのか。

 最高裁には全員で構成する大法廷と、5人からなる小法廷があり、多数決で判断する。

 対象の7人全員が関わった大法廷判決は、9月に「合憲」との判決が言い渡された昨夏の参院選をめぐる「一票の格差」訴訟だけだ。初の合区導入で最大格差が3・08倍に縮小した点を評価し、戸倉三郎氏ら6人が合憲と判断した。一方、林景一氏は「違憲状態」との見解。「1人1票の原則は国際的潮流だ。約3倍の格差で違憲状態を脱したと明言するにはためらう」との個別意見を述べた。

 裁判所の令状なく捜査対象者の車などにGPS(全地球測位システム)端末を取り付ける捜査が違法かが争われた訴訟の大法廷判決(今年3月)を審理したのは、大谷直人氏、小池裕氏、菅野博之氏、木沢克之氏、山口厚氏の5人。いずれもGPS捜査はプライバシーを侵害する行為で、令状がなければ違法と判断。国会での立法で対応するよう促した。

 「夫婦は同姓」「女性は離婚して6カ月間は再婚禁止」とする民法の規定は憲法違反かが争われた訴訟の大法廷判決(15年12月)の当時に任命されていたのは大谷氏と小池氏。2人とも夫婦同姓を「合憲」とし、再婚禁止規定のうち100日を超える期間の部分を「違憲」とする多数意見に賛同した。

 厚木基地(神奈川県)の騒音被害を巡る訴訟の小法廷判決(昨年12月)は、大谷氏と小池氏に加え、木沢氏が審理。3人とも自衛隊機の夜間・早朝の飛行を認める判断に賛同した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての承認を取り消した沖縄県知事を国が訴えた訴訟の小法廷判決(昨年12月)には、菅野氏が加わった。ほかの裁判官と同じく「埋め立て承認に違法がないのに取り消した」として、県側を敗訴とした。

 小法廷では今年、「森友学園」への国有地売却問題に絡み、国が持つ交渉記録などのデータについて、小池氏が裁判長としてNPO法人の保全申し立てを退ける決定(今年9月)をした。大谷、木沢、山口の3氏も同意見だった。

 (岡本玄)

 

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