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 野党が分裂した選挙区では、与党の勝率が8割を超えた。乱立した野党は衆院選で、負けるべくして負けた。

 野党第1党に躍進した立憲民主党も、議席数は与党の6分の1ほど。このまま野党各党がバラバラに行動しては、緊張感のある政治は望むべくもない。

 さりとて、選挙で戦ったばかりの各党が一気に連携を深めるのは難しい事情もあろう。

 それでも、直ちに協力できることがある。必ずやるべきことでもある。臨時国会の早期召集を求めることだ。

 選挙後の特別国会は11月1日からの予定だ。政府・与党内では、首相指名選挙と正副議長の選出などだけで閉じる段取りがとりざたされている。

 森友・加計学園問題の「疑惑隠し解散」だとの批判に対し、当初は選挙後に臨時国会を開くことも検討されたという。

 だが与党の大勝を受けて、その必要性は薄れたとの判断が広がっている。年明けの通常国会まで、実質的な審議の場が設けられない可能性がある。

 だからこそ臨時国会である。

 もともと野党は6月に、森友・加計問題の解明をめざして臨時国会を求めていた。衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集しなければならないと定める、憲法53条に基づく要求である。

 だが安倍首相はこれを3カ月も放置した末に、やっと開いた臨時国会の冒頭、一切の審議を拒んで衆院を解散した。

 この憲法と国会を軽視した首相の姿勢をただすためにも、改めて臨時国会を求めることは野党の大事な役割だ。

 希望の党も加われば、野党勢力で4分の1は確保できる。

 同党の小池百合子代表は政権との距離について「何でも反対ということではない」などと語るが、選挙戦では森友・加計問題を厳しく追及してきた。国会での真相究明を求める点では他の野党と協調できるはずだ。

 巨大与党をチェックし、その独断や暴走に歯止めをかけるには、野党勢力が力を合わせる必要がある。臨時国会の召集要求は、それに向けた話し合いの入り口になり得る。

 臨時国会が開かれれば、首相が衆院選の争点に掲げた消費増税分の使途変更や北朝鮮情勢についても議論ができる。

 首相はきのうの会見でも森友・加計問題について「これからも国会で質問いただければ、丁寧に答えていく」と述べた。

 ならば野党の要求を待たずとも、みずから率先して臨時国会の召集を決めてはどうか。

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