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 ■地産地消エネルギーで町をおこす

 2011年3月の東日本大震災を大きな契機に、地元の資源でエネルギーを作り、地元で使おうという「エネルギーの地産地消」が広がっている。背景には、地域の自立や安心・安全、持続可能性があるともいわれる。地産地消エネルギーの可能性とは――。

 北海道夕張市の鈴木直道市長は「夕張は財政破綻(はたん)したこと、公営住宅が多いことを逆手にとっている」と語った。かつては石炭で栄えたが、人口は8千人台にまで激減。5千世帯しかないのに、公営住宅が4千戸ほどある。こうした課題解決のため「コンパクトシティー」づくりに取り組む。

 また、かつて掘り出した土石を積み上げた「ズリ山」から低カロリー炭を出荷。北海道ガスと連携し、夕張に眠る炭層メタンガスの事業を進める。こんな風にエネルギーを地産地消型に置き換え、町を再生する形を考えているという。

 自然エネルギーの小さな発電設備の開発、販売に取り組むのはベアリング大手NTNだ。コストも手間も最小限の水車や、遊休地を活用した風車づくりなどを手がける。産業機械の回転部分に使う軸受けや、駆動力を伝えるドライブシャフトなどの技術力をいかす。

 石川浩二執行役員は「商品を通じて地域や自治体が元気になる姿を描いていきたい。海外でも、電力に困っているところに並んでいる姿。これは風力や水力に限らずだが、小型で十分まかなえる電力でやっていけるコミュニティーもずいぶんある」。

 「特に地産地消エネルギーは、地方創生の切り札になる。地元の人が使い、出資者にまわすことができ、地域金融といった政策をちゃんとやれば」と説くのは、千葉大学大学院の倉阪秀史教授だ。具体例に「営農型の太陽光発電、ソーラーシェアリングのような、収入源を増やす形で再生可能エネルギーを持ってくる取り組み」をあげた。

 ■規模の小ささに利点

 経済ではスケールメリットという言葉をよく聞く。規模が大きいほど効率などで利点が多いという意味だ。

 地産地消エネルギーにこの言葉はあてはまらない。夕張市の炭層メタンガスは、うまく取り出せれば夕張全世帯1千年以上分のエネルギーをまかなえるという。ただ、日本全体だと2カ月弱で使い切ってしまう。消費を地元に絞ることではじめて開発する魅力が出るプロジェクトだ。エネルギーの地産地消を進めるには、「規模が小さいからできる」という発想に切り替える必要がある、と自省を込めて思った。

 (教育総合本部・一色清)

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 主催 朝日新聞社

 共催 テレビ朝日

 特別協賛 旭硝子財団、イオン環境財団、NTN、NTTグループ、サントリーホールディングス、住友金属鉱山、住友商事、凸版印刷、トヨタ自動車、パナソニック、三井造船

 協賛 ロッテ

 協力 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、国立極地研究所、CNET Japan、日本マーケティング協会、ハフポスト日本版

 特別共催 国立科学博物館

 後援 外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省

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