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 ■フェアトレードから考える持続可能な社会

 環境や生産者に配慮し、適正な価格で製品や原料を買い取る仕組み「フェアトレード(公正な貿易)」を通じて、持続可能な社会をつくるために必要なこととは――。フェアトレード・オーストラリア&ニュージーランドCEOのモリー・ハリス・オルソンさんと、サステナビリティ・コンサルタントの籾井まりさんが意見を交わした。

 オルソンさんは、持続可能なビジネスや環境分野の国際的リーダー。アジア太平洋地域には、適正でない低い収入で働かされる「現代の奴隷」と呼ばれる人々の56%が住む一方、フェアトレードにかかわる農家や労働者の割合は16%にとどまるといい、「最も発展が遅い地域だが、公正な価格を食品などで達成することで、貧困や飢餓を削減できる」と語った。

 籾井さんは、マレーシア・サラワク州では先住民を無視した森林伐採が日常的にされているとして、「人権侵害や環境破壊が非常に激しいところ。そこから木材を買っているのが日本」と指摘した。米国やEUなどでは違法木材を扱う企業に罰則を科しているとして、「鉱物やアパレル、食品など様々な業界で、同様の動きが始まっている」と紹介した。

 消費者の姿勢も議論された。コーディネーターを務めた朝日新聞科学医療部の神田明美記者は「食べているチョコの原料となるカカオを、アフリカの子どもたちが学校に行かずに作っているかもしれない。そういうことを消費者が知らないと言うのが難しい社会になるのでは」と問いかけた。

 オルソンさんは「『奴隷』が作ったものは安い。何が価格に貢献しているか考える必要がある」と指摘した。

 籾井さんは「『エシカル(倫理的な)消費』として、買うものがどこから来てどういう人が作っているか気にすることは今日からでもできる」と話した。

 ■深刻な「現代の奴隷」

 森林を乱伐すれば、そこにすむ先住民と野生生物の生きる場がなくなる。途上国の生産現場では、「現代の奴隷制」といえる事態が深刻だ。日本にいるわたしたちは、そうして生産されたモノを消費している。

 こうした事態を、知らなかったではすまされないし、見ないふりは許されない。討論で、そう確認できたと思う。2020年東京五輪・パラリンピックとSDGsもきっかけに、くらしの中にある食べ物やモノを、持続可能に生産、消費する社会にすることが求められる。(神田明美)

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 主催 朝日新聞社

 共催 テレビ朝日

 特別協賛 旭硝子財団、イオン環境財団、NTN、NTTグループ、サントリーホールディングス、住友金属鉱山、住友商事、凸版印刷、トヨタ自動車、パナソニック、三井造船

 協賛 ロッテ

 協力 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、国立極地研究所、CNET Japan、日本マーケティング協会、ハフポスト日本版

 特別共催 国立科学博物館

 後援 外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省

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