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 ■MOM’S STAND(マムズ スタンド)11月号

 子どもの名前をどうやって決めましたか? 漢字の読み方が分かりにくいキラキラネームは、何かと話題になります。34歳の記者(毛利光輝)も漢字がキラキラしている上、「戦国武将の子孫ですか?」と幾度となく聞かれ、そのたびに「違います」と説明するのが疲れます。最近の名付け事情はどうなっているのか気になり、取材しました。

 千葉県佐倉市の父親(34)は、一昨年生まれた長男に「晴陽(はるひ)」と名付けた。参考にしたのはウェブサイトの情報。姓に合う名前の候補が出ていたり、画数で姓名判断ができたりするなど様々なサイトがあり、それらを見ながら、妻と相談して決めた。

 「仕事の移動中などに、スマホで名前の候補をひたすら探した。知り合いの子とかぶらないように意識もして、結構迷いました」と振り返る。

 記者も試しに自分の姓を入力し、運勢が良い名前が出てくるサイトで調べると、「碧兎(あおと)」「神友(かみゆ)」「綺亜(きあ)」など候補がずらり。名前が多様化しているのも、こうした情報が一因かもしれない。

 ■漢字で個性表現

 戸籍法で名前は「常用平易な文字を用いなければならない」と定め、使える漢字として計2999字を規則で指定している。ただし漢字の読み方は自由。「一二三」と書いて「ワルツ」「ドレミ」と読むなど漢字本来の読みではないあて字も認められている。

 出産・育児雑誌などで「たまひよ」ブランドを展開するベネッセコーポレーションの藤森園子さんは「『生まれたら○○くんと呼びたい』などの理由で、最近は名前の音や読みを先に決め、あとから漢字を選ぶ方が多いです」と話す。同社の名付けに関する本でも3年ほど前から、音や読みから名前を探すコーナーを一番先に出したものもある。

 同社が毎年調査している人気名前ランキングで、読みは、男の子は8年連続で「はると」がトップ。女の子は「はな」。ただし、同じ「はると」と読ませても、漢字の組み合わせは「陽翔」「悠人」「晴斗」など10種類以上にのぼる。「漢字で親の願いや個性を表す傾向が強まっているようです」と藤森さん。

 ■成り立ち考えて

 一方、漢字の研究者である早稲田大の笹原宏之教授は、親が名前の漢字を選ぶにあたって、近年、意味や成り立ちを考えずに、「見た目やイメージだけで選ぶ名付け親が増えている」と懸念する。

 笹原教授が2004年に国が定める人名用漢字を増やす改訂に携わった際、命名者から役所に使いたいと要望があった漢字を調べると「胱」があったという。尿をためる「膀胱(ぼうこう)」で使う漢字で、月は「にくづき」という部首。本来は「肉」の象形で、「肺」や「肝臓」などの偏と同じだ。「月と光でロマンチックなイメージを持った人がいたのではないか」と推察する。

 他にも「生臭い」という意味を持つ「腥」が何件もあった。こちらも見た目から「月」と「星」で良いイメージを持ち、「せい」という名前に使おうとしていたのではないかという。

 現時点で、この2字は使用が認められていない。

 最近はパソコンやスマホでひらがなを変換すれば、知らない漢字も出てくる。「すてきな漢字を見つけたからと、感覚的に名付ける人が増えている。名付け親は、その名の子どもと周囲がどんなふうに思うのか、よく想像してみることが大切ではないでしょうか」(毛利光輝)

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