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 「ジャパンウォーク in OSAKA――オリンピアン・パラリンピアンと歩こう2017秋」が10月9日、ヤンマースタジアム長居(大阪市東住吉区)を発着点に開かれました。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて機運を高め、だれもが分け隔てなく暮らせる社会を後押ししようと昨年5月に始まった大会。4回目の今回は、関西地方で初めての開催となった。秋空の下、オリンピアン・パラリンピアン21人を含む計2026人が参加し、4キロと14キロの2種類のコースを、障害がある人もない人も、お年寄りも子どもたちも、会話を楽しみながら一緒に歩きました。

 ■それぞれの挑戦、思い共有 競泳・松田丈志さん

 参加者のみなさんが積極的に話しかけてくれました。大阪のおじちゃん、おばちゃんはグイグイ来てくれますね。「写真撮って~」と腕も引っ張られた。

 障害がある方も、高齢の方もいらっしゃった。付き添いや盲導犬に支えられながら、それぞれの目標距離にチャレンジしていました。もしかしたら家の外に一歩出ること自体も挑戦だったかも知れない。

 アスリートが目標に向かって努力することも同じ。交流を深めながら思いを共有できたことが収穫です。

 東京五輪・パラリンピックは3年後。僕自身は五輪に4回も出場させてもらった。出る人、支える人、応援する人。それらが一つのエネルギーになって成功する。改めて感じました。

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 まつだ・たけし 1984年、宮崎県出身。五輪4大会で競泳200メートルバタフライやリレーで銀1、銅3のメダル獲得。昨年引退。

 ■相互理解、暮らしやすさに 車いすバスケ・網本麻里さん

 車いすで4キロのコースに参加しました。途中から歩こうと思っていましたが、押しながら歩くのも大変で、結局乗ったまま(笑い)。参加者の方々と会話を楽しみながらゴールしました。右足がつま先から折れ曲がり、甲が地面についてしまう障害があります。ただ普段の生活では支障はなく、歩いているんですよ。

 車いすバスケ選手であることは特別でなく、一(いち)アスリート。人との付き合いも障害者や健常者という枠組みで考えません。誰だって苦手なことはあるし、人に迷惑をかけることもある。

 この大会のように、一人ひとりがお互いに関心を持ち、少しずつ理解していく。そのことが誰もが暮らしやすい世の中につながっていくのかも知れません。

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 あみもと・まり 1988年、大阪府出身。19歳の2008年北京パラリンピックで4位。得点王にも輝いた。ドイツ、豪州でもプレー。

 ■「やろう」の気持ち、大切に 車いすで初参加・池田さん

 「初めて会うのにたくさんの人が声をかけてくれ、うれしかった」。高知市から初めて参加した団体職員の池田孝広さん(46)は14キロのロングコースを歩き終え、声を弾ませた。

 16年前、交通事故で脊髄(せきずい)損傷の大けがを負った。下半身がまひし、トイレや風呂は介助が必要になった。「何をやっても面白くなくて」。約半年間、家に引きこもった。しかし、「今までの人生より、これからの方が長い。このままではもったいない」と考え直し、外に出るようになった。

 今大会では「これは『共走』なんだ」と頭に浮かんだという。「できるできないではなく、『やろう』という気持ちを持つこと。そんな思いを受け入れる社会であってほしい」と話した。

 ■ボッチャなどで選手と交流

 ヤンマースタジアム長居の会場には、プラスチック製の円盤を投げて飛距離を競う「フライングディスク」、パラリンピック正式種目「ボッチャ」、車いすバスケットボールなど障害者スポーツが体験できるコーナーが設けられた。

 ボッチャは重度の脳性まひや四肢に障害がある人のためにヨーロッパで考案された。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤、青のボールを投げたり転がしたりして、いかに近づけるかを競う。

 パラリンピアンと楽しんだ大阪府豊中市の主婦川添直子さん(36)は「難しかったが、選手のみなさんと交流できてうれしかった。ますますオリンピック・パラリンピックが楽しみになりました」と話した。

 ■五輪・パラリンピック「準備」も

 多くの人々でにぎわった会場には様々なブースが設けられた。パラリンピアンは短いロープを使い、目の不自由なランナーの伴走をする方法を教え、盲導犬と歩くコーナーも設けられた。

 バーチャルリアリティー(仮想現実)を利用したスポーツ体感コーナーも登場。ゴーグル型の「ヘッドマウントディスプレー」を装着し、車いす陸上競技やスケートボードの選手になった気分が体験できた。大阪市天王寺区の鳥崎瑞希さん(6)は「スポーツクライミングが一番楽しかった。本当に登っているみたいでびっくりした」。

 また、五輪メダルの材料になるリサイクル金属を取り出すため、不要な携帯電話の回収ボックスも設けられ、約90個が集まった。

 <主催> ジャパンウォーク2017秋実行委員会(JXTGエネルギー、全日本空輸、NTT、みずほフィナンシャルグループ、朝日新聞社)

 <共催> 大阪市

 <協力> 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

 <後援> スポーツ庁、大阪市教育委員会、日本オリンピック委員会、日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会

 <運営協力> 日本ウオーキング協会、大阪府ウオーキング協会、大阪市障害者福祉・スポーツ協会、日本ケアフィット共育機構

 <地図作成協力> ゼンリン

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