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 衆院で代表質問が行われ、特別国会の論戦が本格化した。

 「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互い様に支え合う社会」

 野党第1党の立憲民主党の枝野幸男代表は、めざす社会像を描くことに時間を割いた。

 巨大与党に「多弱野党」が挑む国会だ。行政府を監視し、政治に緊張感を生む。立法府の使命を果たすために、民意をつかむ主張ができるか、野党各党の説得力が問われる。

 希望の党の玉木雄一郎代表は「寛容な改革保守」を掲げた。

 「私たちは憲法論議を正しくリードしていく」とも語った。安倍政権と厳しく対峙(たいじ)する立憲民主党に比べ、政権との距離の近さを印象づけた。

 一方で、枝野、玉木両氏の主張は、同じ民進党出身だけに共通点も目についた。

 ともに「原発ゼロ」を掲げ、来年の通常国会に関連法案を提出するとした。憲法改正でも立憲主義を重視し、内閣の衆院解散権の制限には前向きな一方、首相がめざす自衛隊の9条明記は批判する。

 性急な野党再編は現実的でないにしても、野党がばらばらなままでは十分な力は発揮できない。立法作業など可能な部分でできるだけ協力すべきだ。

 安倍首相の答弁は、所信表明演説で野党に呼びかけた「建設的な議論」とは程遠かった。

 衆院選でみずから「国難」と強調してきた北朝鮮情勢や少子化問題について、具体的に問われても、紋切り型の政府方針を繰り返すばかり。野党を挑発する物言いは影を潜めたものの、議論を深めようという姿勢は見られなかった。

 日米首脳会談で「日米が百%ともにある」とまで明言したのは、軍事行動も含め行動をともにするのか――。玉木氏にそうただされた首相は直接答えなかった。

 野党の質問時間を減らそうとする自民党の動きを枝野、玉木両氏に批判されても「国会が決めること」とかわした。

 森友・加計学園の問題では自民党の岸田文雄政調会長が「国民に疑問の声がある以上、誠意をもって丁寧な説明を」と促したが、首相は「国会や衆院選の討論会で丁寧に説明した。今後もその考え方に変わりはない」などと語るにとどめた。

 代表質問はあすまで続き、来週は予算委員会が予定されている。一問一答式の予算委はより議論を深めやすい。

 民意に届く説得力ある主張をするのはどの党か、それとも政府か。骨太の論戦に期待する。

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