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 安全上の問題はないか、まずは徹底した確認が必要だ。不正が起きた原因も究明し、抜本的な対策を急がねばならない。

 製品の品質や仕様が契約内容と異なるのに、書類のデータを書き換え、約束通りであるかのように装って出荷する。そんな不正が、神戸製鋼所に続き、三菱マテリアルと東レの子会社でも発覚した。

 三菱の3子会社はゴム、銅、アルミの各製品で寸法を書き換えるなどして、航空機や自動車などの部品として出していた。東レの子会社は08~16年に、タイヤの強度を保つ補強材などの強度データを書き換えていた。驚くことに、品質保証室長が2代続けて関与していたという。

 目につくのは、情報の開示に後ろ向きな姿勢だ。

 三菱電線工業は2月にデータ改ざんを把握したが、不正製品の出荷を止めて親会社の三菱マテリアルに報告したのは10月下旬。発表はさらに1カ月後だった。三菱アルミニウムは「安全性が確認され、解決済み」として、対象品目など詳しいことは明らかにしていない。

 東レは子会社での改ざんを16年7月につかみ、再発防止策を講じたが、未公表だった。今月初めにインターネットで不正に関する書き込みがあったため、公表することにしたという。

 神戸製鋼も含めて共通するのは、直接の取引先であるメーカーしか見ていないことだ。製品の最終的な利用者や消費者に説明し、責任を果たそうという意識がうかがえない。

 東レの不正は、現在は相談役で経団連会長の榊原定征氏が社長や会長の在任中に起きていた。榊原氏はきのう、謝罪して「発覚した時点で公表するのが原則だ」と述べた。東レが率先して改めるべきだろう。

 素材メーカーには、製品の品質や仕様が契約と多少違っても、取引先の了承を得て出荷する「トクサイ(特別採用)」という慣行がある。それが不正の一因になったようだ。

 納期は厳しく、了承を求めていては手間がかかる。誤差程度ならデータを変えても問題はない。そう考えたのかもしれないが、目をつぶり続ければ、いずれ重大な事故を招きかねない。

 契約で決めた品質が十分に高水準だから、という認識が背景にあるともされる。そもそも契約内容が過剰だというなら契約を改めるべきで、データを改ざんしてよい理由にはならない。

 利益を優先し、品質管理の基本がおろそかになっていないか。すべての企業が体制を点検しなければならない。

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