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 内閣府の再就職等監視委員会が、「天下り」あっせん問題の調査結果を公表した。

 内閣府、法務省、財務省、文部科学省で各1件、金融庁には2件の国家公務員法違反があったと認定した。

 ことし初めに文科省の組織ぐるみの「天下り」あっせんが発覚したのを受け、全府省庁で行われた調査はこれで終わる。

 結局、文科省以外の府省庁では組織的なあっせんは確認されず、個人的な違法行為だったと結論づけた。

 違法を指摘された府省庁が再発防止策を講じるのは当然として、そのうえで、この調査結果をもって問題の幕を引くのは許されないと考える。

 調査には事実関係を詰め切れていない部分が多く、他の府省庁で組織的なあっせんが確認されないとする根拠は弱い。

 調査対象は昨年末までの8年間に現行の天下り規制のもとで再就職した6千人余と、現役の官僚285人。だが、任意調査なので個々の回答の真偽は確認しようがなかった。

 たとえば、地方税関や財務支局を2015年7月1日に退職した約60人の大半が、同年9月1日に運輸会社や金融機関などに再就職していたことが国会で問われた。国土交通省や農林水産省でも似た動きがあった。

 なぜ、こんな集団再就職が起きたのか。調査への各省の回答は「個別の事情はわからない」「再就職日は法人側の判断」などがほとんど。年明けの通常国会で改めてただす必要がある。

 問題の根底にある霞が関の人事制度の見直しも不可欠だ。

 近年、政府系法人への天下りが減る一方で、省庁に籍を残した官僚の「現役出向」が増えている。出向するのは50歳代が多く、給与は出向先が負担。天下り規制の「抜け道」と言える。

 こんな制度が続くのは、各府省庁で事務次官などの幹部候補を絞り込む際に、年功序列を保つため、同期に早期退職を促す慣行があったからだ。

 これをやめるには、定年まで働くのが当たり前の職場にすればいい。民間企業では普通のことではないか。

 離職後2年間、密接な関係のあった企業への再就職を禁じる規定を撤廃したのは、第1次安倍政権だ。代わりに公務員の再就職あっせんを官民人材交流センターに一本化したが、十分に機能していない。問題の根を絶つために、まず「2年」規定を復活させてはどうか。

 全容解明にはほど遠い今回の調査を、霞が関の悪弊を温存する口実にしてはならない。

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