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 モスクワのプーシキン美術館からフランス風景画の名作の数々が来日する。展覧会は17世紀から20世紀までの風景画の流れを、「旅」の視点を交えてたどってゆく。画家が旅先で筆を走らせた絵、空想にもとづく神話の風景、近代化によって変わりゆく都市の景観、エキゾチックな異国の景色など油彩65点。なかでも一押しは、印象派の巨匠クロード・モネが20代半ばで描いた「草上の昼食」。日本初公開だ。

 パリ郊外の森。当時最先端のファッションに身を包んだ若い男女がピクニックを楽しんでいる。木々の間を抜けて、いまにも語らいが聞こえてきそうな登場人物のモデルは、友人で画家のバジールや、のちにモネの妻となるカミーユらとされる。木漏れ日の下に集う青春群像を、モネは独特の粗いタッチを用い、調和のとれた一枚に仕上げた。やがて開花する印象主義を予感させる、巨匠の若き日の傑作だ。

 プーシキン美術館が誇るフランス近代絵画コレクションは、100年前のロシア革命以前、フランス人に先駆けてピカソやマティスを見いだしたという実業家シチューキンとモロゾフの収集品を礎としている。日本での展覧会は2005年と13年にも開かれて好評を博した。今回の展覧会は、日本とロシアの交流年事業の中核的な催事としても注目を集める。

 <4月14日~7月8日、東京都美術館>

 <7月21日~10月14日、大阪・国立国際美術館>