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 地方税を巡る都市と地方の税収格差をどう是正するか。

 個人住民税の税収を都市部から地方へ移そうと、国が主導して始めたふるさと納税では、一部の自治体で返礼品競争が過熱。国が返礼品を規制すると、自治体間で賛否が対立した。

 自らが徴収する税金なのに、国の方針に右往左往する。そんな自治体の姿は寂しく、地方分権の観点からも健全とは言えない。地方税の改革は自治体が主導し、知恵を絞ってほしい。

 昨年末に決まった18年度の税制改革案では、消費税8%のうち1・7%分を占める地方消費税の都道府県への配分ルールが変更された。いまの基準は都道府県ごとのモノやサービスの販売額が中心だが、人口も重視するように改める。

 他県からも消費者を引きつける大都市部に多く配分される現状を変えるのが狙いだ。多くの県が増収になりそうな一方、年間1千億円の減収が見込まれる東京都や大阪府、愛知県は激しく反発し、そろって国に反対を申し入れる一幕もあった。

 今年の焦点は地方法人税だ。

 都道府県や市町村に企業が納める法人二税(法人住民税と法人事業税)は、税収が景気で増減するうえ、都市と地方の差が大きい。15年度決算額でみると、人口1人当たりの税収額は、最大の東京は最小の奈良の6・2倍。個人住民税の2・6倍、地方消費税の1・6倍と比べ、格差の大きさが際立つ。

 08年度から、事業税の一部を国が地方法人特別税として徴収し、都道府県に配分する仕組みが導入された。「偏在を是正する抜本改革までの暫定的な措置」だが、地方税をいったん国税に振り替える異例の対応だ。

 19年には制度の期限を迎える。昨年末の税制改革では「新たな措置について、19年度税制改正で結論を得る」とされた。あと1年足らずで抜本改革の答えを出さねばならない。

 地方法人特別税の導入時には、恩恵を受ける側の宮城や山形など地方の5知事が「地方分権を妨げる毒まんじゅうだ」と反対した。全国知事会の研究会はその後、偏在と変動が大きい法人二税を国税にし、偏在が少なく安定している地方消費税を拡大する案を示した。

 都市と地方の利害対立を乗り越えるのは簡単ではないだろう。しかし、双方がそれぞれ国に陳情を重ねるような姿は、あまりに情けない。

 知事会などで徹底的に議論し、望ましい税制をまとめ、国にぶつける。それが自治体のあるべき姿である。

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