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 国会審議のあり方をどう見直すかが、22日召集の通常国会の焦点のひとつになりそうだ。

 例えば、昨年一度も開かれなかった党首討論である。

 与党は開催に向けた協議を野党に呼びかけているが、野党は党首討論と引き換えに首相の国会出席を減らすつもりでは、と警戒する。

 日本の首相は欧州諸国の首相に比べ、国会出席の時間が長いとされる。予算委員会に首相や全閣僚を長時間拘束する。そんな審議のあり方がふさわしいのか、工夫の余地はある。

 一方で与党の主張に素直にうなずけないのは、国会審議をなるべく避けようとする傾向が安倍内閣に顕著だからだ。

 昨年の通常国会、臨時国会、特別国会の会期は計190日。過去20年で最少だ。憲法53条に基づき野党が求めた臨時国会召集も、たなざらしにした。

 思い浮かぶのは昨年の特別国会で、自民党が野党の質問時間を削る動きを強めたことだ。

 国民の代表として、行政を監視する。その国会の役割を軽んじるふるまいである。

 党首討論の活性化自体に異論はないが、首相と野党が論戦を交わす場を減らす意図があるのなら筋違いというほかない。

 国会改革を論じるなら、自らに都合のよい見直しのつまみ食いであってはならない。国会と内閣のあり方全体を見渡す視点が欠かせない。

 論点はいくつもある。

 まず内閣に対する監視機能の強化だ。野党の国政調査権の行使を、与党が押さえ込む場面が目立つ現状をどう正すか。

 国会が政策論争でなく「日程闘争」の舞台になりがちなことも改める必要がある。「通年国会」の実現も検討に値する。

 いまの国会では、内閣提出法案は事前に与党内で審査、了承されるため、法案修正はまれだ。一定の審議時間をこなしたからと与党が採決を押し切るような審議を実のあるものにするために、事前審査を見直してはどうか。野党の対案の同時審議を制度化するのも一案だ。

 90年代からの一連の政治改革の結果、内閣の権限が強化された。「安倍1強」と言われる政治状況はその帰結といえる。国会によるチェック機能がますます重要なゆえんである。

 与野党に提案がある。

 国民に開かれた場で国会改革を継続的に議論する新たな機関を、国会内に設けてはどうか。

 国民の信頼に足る言論の府をめざし、機能と役割を問い直す。国会みずから、その第一歩を踏み出すべきときだ。

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