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 ■ライフ&マネー

 金太郎(かねたろう) ぐわー、ダメだ!

 得子(とくこ) あなたのダメっぷりは知ってるわ。何を騒いでるの?

 金 いざというとき、従妹(いとこ)の替え玉受験に備えて新聞に載ってたセンター試験の問題を解いてみたけど、ちっとも当たらなかった……。

 得 いい加減にしなさい。実力で大学に入らないと、後で困るのは本人よ。

     *

 金 そうそう、従妹は奨学金を申し込んでいたけど、採用されなかったらしいんだ。

 得 奨学金は政府出資の日本学生支援機構だけじゃないの。自治体の奨学金は機構より充実したものもあるから、他の奨学金と併用できるかを含めて、出身地か大学のある自治体の福祉課に問い合わせましょう。

 金 役所は待たされそうだなあ。

 得 医師をめざす学生に、修学資金制度を設ける自治体がある。一定期間、都道府県内の指定医療機関で勤務すると授業料や奨学金を返済しなくてよくなるの。

 金 それ、うまく活用すればタダで大学に通えるんじゃない?

 得 そうだけど、地方の国立大医学部には県外出身者も多い。卒業して地元で医師をすることが条件だから、時には利用枠が余るという話を聞くわ。

 金 医者の卵はみんな、病院に属さない「ブラック・ジャック」をめざしてるんだろうか。

 得 「ドクターX」と言わないところがアナログ世代っぽいわね。もっと充実しているのは大学よ。優秀な学生に来てもらいたいから、入学金や授業料の減免を含めたさまざまな経済支援をしている。受験前や入学前に採用されるかがわかる大学も増えているの。

 金 大学は部署が多くて、どこに聞けばいいかわからないや。

 得 情報が集まっている志望校の学生課に尋ねるといいわ。便利なのは春から秋に開くオープンキャンパス。奨学金の資料をもらえるし、大学によっては説明ブースもあるの。

 金 へー、親子で学食を食べに行く催しじゃないんだね。

 得 さすがにそんな家族はいないわよ。要注意なのは、制度が多すぎて、説明をしっかり読まないと実態がわからないこと。奨学金といっても授業料の半減とか、スポーツ特待生だけど遠征費は自己負担とか。

     *

 金 日本学生支援機構に比べてどうなの?

 得 貸与型でも無利子が多いので得かもよ。利子(年利)はおおむね低めね。高いと言われていた機構も、2014年秋から返済を始めた人の多くが1%を切ったの。金融機関の低金利が続いているおかげで得をしているのよ。

 金 景気が正常には回復していない恩恵を奨学金で受けるなんて、皮肉な話だなあ。

 得 企業や財団も奨学金を設けているのは知ってる? 採用枠は少ないけど返済義務のない給付型で、就職先の制約もない制度もあるわ。

 金 自社の利益にならない事業なんて、僕が会社に教わった資本主義の原理に反してるよ!

 得 立志伝中の実業家が故郷に学校を建てたり、寄付したりした、といった話は全国にあるでしょう。経済的に成功した人物が、後進を育てるためにもうけたお金を社会へ還元するのは古今東西同じね。

 金 よーし、僕も独立して会社を立ち上げるために、数字に強くならないといけないぞ。まずは数独の星五つを解けるようにしなきゃ。

 得 残念ね。いくらパズルが得意になっても、世間の複雑な方程式は解けないわよ。

 

 取材協力・森田和子さん(ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)認定者〉)

 (構成・井上秀樹)=全4回

 ■奨学金あれこれ

 ●自治体は出身者や大学の所在地など様々な条件で申し込める。医学部生向けの修学資金制度は地元就職などの条件付き。企業は給付型で就職の条件がないものも

 ●志望大学の資料はオープンキャンパスで入手するのがおすすめ。制度が複雑なので内容の確認が必要

 ●いずれの奨学金も情報の集中する大学の学生課などに相談すると効率的。日本学生支援機構に比べて、自治体などは貸与型でも無利子のものが多い

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 <訂正して、おわびします>

 ▼1月20日付「知っ得なっ得」で日本学生支援機構の貸与型奨学金の返済利率について、「高いと言われていた機構も、昨秋から返済を始めた人は1%を切ったの。」とあるのは、「高いと言われていた機構も、2014年秋から返済を始めた人の多くが1%を切ったの。」の誤りでした。

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