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 案の定、というべきか。

 民進党と希望の党の執行部が合意した、国会での統一会派結成がご破算になった。

 旧民進党勢力が散り散りになり、自民党が大勝した衆院選からわずか3カ月。たもとを分かったはずの両党が、元のさやに戻る。そのこと自体に無理があった。

 週明けに始まる通常国会を前に、混乱を引き起こした両党執行部の責任は重い。

 巨大与党に対抗するには野党の連携が欠かせない――。確かにその通りだ。だが「数合わせ」を急ぐなかで、両党は政党の大事な使命を怠った。

 その連携で何をめざすのか、基本的な方向性を共有するための真摯(しんし)な政策協議である。

 両党の姿勢が異なる安全保障関連法については「違憲と指摘される部分を削除することを含め、必要な見直しを行う」との文書をかわした。それぞれが都合よく解釈できる玉虫色の合意である。

 かつての民進党の姿が思い浮かぶ。寄り合い所帯を反映し、その場しのぎのあいまい対応を繰り返し、それが結局、先の衆院選での分裂につながったのではなかったか。

 統一会派の協議の前に、両党がなすべきことは明らかだ。まずそれぞれの党内で、理念や政策を徹底的に論じ合うことだ。

 その結果、主要部分でどうしても折り合えなければ、別の道を選ぶこともあり得よう。

 そうした各党での議論の延長線上に、党を超えた連携が模索されることが望ましい。

 「それぞれの党が主張を明確に打ち出し、国会で協力できることは協力する方が国民の期待に応えられる」。立憲民主党の枝野幸男代表の指摘はもっともである。

 忘れてならないのは、野党が果たすべき役割の大きさだ。

 内閣提出法案の問題点を指摘し、修正を求める。政府・与党がくみ取れない民意に手を伸ばし、議員立法に取り組む。

 「安倍1強」の政治状況で、野党の行政監視機能はいっそう重要だ。政権の疑惑の調査での協力や、国会質問の重複を避ける調整なども求められる。

 自民党は昨秋の特別国会に続き、野党の質問時間を削ろうとしている。与党の横暴は、結束して跳ね返さねばならない。

 そうした協力の先に、選挙協力のあり方や、さらなる政党再編も見えてこよう。

 政治に緊張感をもたらすために、野党の使命は重い。野党勢力の混迷は、政府・与党を利するだけだ。

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