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 日本に住む外国人の数が昨年、240万人を超えた。この5年間で四十数万人の増加だ。しかし日本語が理解できず、社会に溶け込めない人も多い。生活や学習に欠かせない日本語教育を支援する制度が必要だ。

 優先すべきなのは、子どもへの学習支援である。

 文部科学省の16年度の調査では、公立の小中高校などで日本語の指導が必要な児童・生徒は約4万4千人いる。国際結婚で親のどちらかが日本人であっても、両親が外国語で話すため、日本語を十分理解できないまま学齢期に達する例もある。

 文科省は4年前、日本語の能力が不足している子どものため、別教室で日本語や算数などを教えられるよう制度改正した。だが、実施しているのは外国人の多い自治体が中心で、4割弱。放課後などの日本語指導で対応している学校もある。

 地域によっては、NPOの日本語教室頼りなのが現状だ。

 15歳で来日した日系ペルー人4世のオチャンテ・村井・ロサ・メルセデスさん(36)=奈良学園大助教=は、日本語が理解できないことに苦しみ、三重県伊賀市のNPOが開く日本語教室に通いつめた体験をもつ。

 「子どもが多様な将来の夢を描くには、社会の支えを制度化することが必要」と話す。

 浜松市など外国人住民の多い22市町は昨年11月、「外国人集住都市会議2017」を津市で開き、外国人住民の日本語学習の機会を国が保障するよう求める津宣言を採択した。

 首長からは、専業の日本語教師の育成▽日本語教育に取り組む企業への助成制度▽日本語習得者の在留資格での優遇――などのアイデアが出た。

 こうした背景には、外国人とのトラブルを未然に防ぎたい事情もあろう。同時に人口減が進む中、外国人住民が地域社会の一員として能力を生かし、活躍できる仕組みを作ることは、町の活性化に不可欠だという考えもあるのではないか。

 国は現実を正面から受け止め、財政、人材両面での支援策を具体化するべきだ。

 労働人口が減少する中、政府は外国人技能実習生制度などで事実上、外国人労働者の受け入れを拡大してきた。その是非はおき、結果として在留外国人が増えている現実を前に、共生社会の実現に向けて環境を整えることは避けられない課題だ。

 この問題では超党派の「日本語教育推進議員連盟」が16年に発足、基本法の制定をめざしている。実態に即した議論が国会で広がることを期待する。

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