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 今年度補正予算案を審議する衆院予算委員会での質問時間を「与党3対野党7」にすることで与野党が折り合った。

 民主党政権時代から続いてきた「2対8」を、昨秋の特別国会で「36対64」としたのに続いて、再び野党分を削った。

 昨年の衆院選で大勝した自民党の強硬姿勢が続く。

 これ以上、野党の質問を削減すべきではないし、この比率を固定化してもならない。

 国会での質問時間を野党に手厚く割り振ってきたことには、大きな意味があるからだ。

 国会議員は全国民の代表であり、質問の機会もできるだけ均等であるべきではある。同時に忘れてならないのは、議院内閣制のもとで、政府と与党は一体であるということだ。

 政府の法案は国会提出前に、与党の事前審査で了承を得ている。与党議員はそこで説明を受け、質問をし、意見を反映させている。

 だから国会で法案の問題点をただし、修正を求める役割は、もっぱら野党が担うしかない。

 与党には「与党の主張も国民に理解してもらいたい」「若手の出番が少なくて、仕事をしていないと思われる」といった声があるが、同意できない。

 昨年の特別国会を思い起こそう。質問者の自民党議員が、首相の外国首脳との会談の多さを絶賛しつつ、言った。「こういう状況が生まれているということは、御本人は言いづらいでしょうから。別にヨイショしているんじゃないんですよ」

 行政府に対する立法府の緊張感など、まるで感じられない。

 そもそも削減の動機も不純である。

 与党が「5対5」を言い出したのは昨夏の閉会中審査のときだ。森友学園と加計学園の問題で、首相への野党の追及を少しでも弱めたい、という意図が出発点からにじんでいた。

 特別国会では「前例としない」ことを条件に、野党が削減を受け入れた。それなのに自民党幹部はいま「少数政党への配慮にも限度がある」と言う。数の横暴である。

 党首討論の定例化や閣僚の国会出席の負担軽減、野党の対案の審議のあり方など、与野党が協調してすすめるべき国会改革の課題は多岐にわたる。

 それらを話し合う与野党の協議こそが求められているのに、野党質問の削減だけに力を注ぐ与党の姿勢には、理がない。

 このまま野党の質問削減が続けば、国会審議は空洞化し、行政府に対する立法府の監視機能は低下するばかりだ。

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