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 河野外相が中国を訪問し、王毅(ワンイー)外相との会談で、日中首脳の往来を着実に進めていくことの重要性を確認した。

 ことしは日中平和友好条約締結40周年の節目である。その年頭の外相訪中に、中国側は王氏のほか、李克強(リーコーチアン)首相と外交トップの楊潔チ(ヤンチエチー)国務委員がそれぞれ会談に応じた。関係改善への意思は日中双方にある。

 懸案は多い。だからこそ、両国の政治指導者が頻繁に会い、じかに言葉を交わすことの重要さは論をまたない。

 安倍首相は施政方針演説で、次のような道筋を提唱した。

 日本での日中韓サミットに李首相を迎えた後、自ら訪中。習近平(シーチンピン)国家主席の来日につなげ、日中関係を新たな段階へと押し上げていく――。

 この機運をつかみ、ぜひ実現につなげてほしい。

 外相会談で河野氏は、習政権の経済圏構想「一帯一路」に対し、透明性や開放性、国際基準への合致など一定の条件をつけながら協力を約束した。

 北朝鮮への対応では、国連安全保障理事会の制裁決議の履行徹底で一致した。海上で船から船に積み荷を移す密輸の対策についても意見を交わした。

 一方で、中国の軍事力拡大や強引な海洋進出は、日本にとって、変わらぬ脅威だ。

 尖閣諸島沖の日本の接続水域で中国軍の潜水艦が潜航した問題で、河野氏が再発防止を強く求めたのは当然である。

 せっかく芽生えた関係改善の機運も、偶発的な衝突によって一瞬で崩れかねない。

 日中間では2014年秋、尖閣について「対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぐ」とした合意がある。防衛当局間の連絡体制「海空連絡メカニズム」の運用開始も急がねばならない。

 注目したいのは、河野氏が外相会談でこう語ったことだ。

 「日中は世界2位と3位の経済大国。アジアだけでなく、世界全体への責任もある。二国間の問題だけでなく、日中が肩を並べて地球規模の課題に対応していくことも大切だ」

 日中が「ウィンウィン」の関係をめざす戦略的互恵関係からさらに視野を広げ、軍縮・核不拡散や気候変動、感染症対策などグローバルな課題でも連携の可能性を追求する。そんな考え方なら歓迎である。

 日中関係は一進一退だ。利害が対立しても、決定的な衝突を避けつつ、少しずつでも協力の幅を広げる外交努力を重ねる。

 その先にしか地域の平和と安定はないことを、日中の政治指導者は肝に銘じるべきである。

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