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 大阪大に続き京都大でも昨年2月の入試で出題ミスが発覚した。京大は17人を追加合格としたが、なぜもっと早く対応できなかったのか、徹底した検証が必要だ。

 ミスは音波に関する物理の問題であった。音波の性質についての条件設定が不十分なため、正答が一つに絞れない設問になっていたという。大学は全員を正解として採点し直し、工学部などで追加合格者が出た。

 今年1月15日に外部から指摘を受け、検証の結果、判明したという。外から指摘されるまで気づかなかったことを反省し、京大は作問やチェック態勢を見直さねばならない。

 京大によると、問題は14人の教員が確認にあたり、入試当日にほかの3人の教員がチェックした。それでも「すり抜けた」(副学長)のは、学内での点検だけでは限界があるということではないか。

 京大は再発防止策の一つとして、今後は採点時に予備校の解答例の参照を徹底すると発表した。今までやっていなかったこと自体が驚きだし、それで十分な防止策になるとは思えない。

 京大は入試の解答例を公表していない。記述式の問題をふまえて、「知識だけを問うのではなく、解答へのプロセスを見たい」と説明する。

 様々な角度から受験生を評価しようとする姿勢は否定しない。しかし今回のように選択式の問題の解答まで非公表とする理由にはならない。専門的な問題であるほど、多数の目にさらして早期発見することのメリットも考えるべきだ。

 文部科学省は各大学に標準的な解答例を開示するよう求めている。だが、開示しているのは一部にとどまる。ミスがあっても、早めにわかれば合否判定への影響は避けられよう。

 相次ぐ出題ミスを、ほかの大学も他山の石としてほしい。

 事前に何段階ものチェックの網を設ける。問題作成者以外の人も加わって事後点検する。外部からの指摘には組織として機敏に対応する。重要なのは、より客観的な視点で、多角的に検証しようとする姿勢だ。

 文科省はミスを防ぐためルールづくりを進める方針で、解答例の公表も促す。情報を受ける専用窓口も設けたが、まずは大学が自律的に考えるべきだ。

 京大のミスの公表は、今年の2次試験の直前となった。いま勉強中の受験生にも動揺を与えかねない。大学受験は、若者にとって将来の進路を決める重要な機会であることを、各大学とも肝に銘じて欲しい。

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