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 朝日新聞の「朝日自分史」は、拠点がある東京・大阪以外へも出張して、無料の学習会・説明会を開き、自分史作りをアドバイスしている。また、地方に住む人たちからの要望にも応えて、自分史や家族史作りをお手伝いしてきた。出張学習会の様子とともに、地方在住の人たちが作った自分史をご紹介する。

 ■メリット、ポイントを講師が説明 構想や原稿にアドバイス 無料学習会・説明会@名古屋

 「北名古屋市の回想法センターって、ご存じですか」

 朝日自分史事務局の編集者が会場に呼びかけると、数人の手が挙がった。

 「昔のことを回想して話したりすることが、脳を活性化して認知症を予防するのではと研究・実践されています。つまり、自分史作りも、認知症を防ぐ効果が期待されるんです」

 名古屋市中区の朝日新聞名古屋本社の会議室で昨年11月17日、自分史の無料学習会が2回開かれ、愛知を中心に東海3県から計27人が参加した。

 学習会は2部構成だ。まず全体説明。朝日自分史の編集者が、自分史を巡る現状や自分史作りのメリット、重要なポイントなどを講演する。次は個別相談で、参加者一人ずつスタッフが話を聞き、作りたい本の構想を聞いたり、持参された原稿を読んだりして、具体的にアドバイスする。

 参加した名古屋市千種区の池田光義さん(92)は終戦を朝鮮半島で迎えたという。「命がけだった戦争体験を孫やひ孫に伝えたい」。三重県松阪市の池田裕美さん(44)はがん闘病中だ。「命あるうちに、生きた証しを形にしたい」と話した。

 ■神奈川・福岡でも

 朝日自分史では、これまでも千葉市や神奈川県藤沢市などで出張学習会を開いてきた。2月から3月にかけては、神奈川県の湘南地区や福岡県で学習会が予定されている。今後の予定は以下の通り。

 【神奈川県】2月18日=鎌倉芸術館(鎌倉市大船6丁目)▽同23日=平塚商工会議所会館(平塚市松風町)▽3月15日=鎌倉商工会議所(鎌倉市御成町)▽同29日=玉縄学習センター(鎌倉市岡本2丁目)▽3月下旬に横須賀市でも開催予定

 【福岡県】3月12日=朝日新聞福岡本部(福岡市博多区博多駅前2丁目)▽同13日=朝日新聞西部本社(北九州市小倉北区室町1丁目)

 いずれも要予約。問い合わせ・申し込みは平日10~17時に朝日自分史(03・6869・8007)まで。

 ■祖先から継いだ信頼と財産 青森県階上町・正部家佑介さん(73)

 青森県階上(はしかみ)町の町長を4期務めた正部家(しょうぶけ)佑介さん(73)は、70歳になったころから「終活」が気になりだした。72歳のとき、祖先がこの地に住み始めて400年になった。その二つが重なったことが、自分史作りのきっかけだった。

 自分はここで生まれ、先祖から山仕事を引き継ぎ、ゴルフ場を経営し、自動車教習所を開設し、地域のためにと福祉施設も運営した。町政運営にも関わり、町振興の役に立てたとも思ってきた。しかしその自分が今いるのは、400年前の祖先が築いた信頼や財産があったからだ。

 そう思い至った正部家さんは、その歴史を残し伝えるのが自分の責務ではないかと、自分史をまとめた。

 本ができたのは73歳の誕生日。あれも入れたい、これも入れたいと収拾がつかなくなっていたが、編集者から「誕生日を発行日にしましょう」と明確な締め切り日を設けられたことで、「スムーズに進んだ」と振り返る。

 できあがった本を手に、印刷物として後世に伝わる重みを感じる。これをベースにもう1冊、削ってしまった文章を生かした本を出したいと考え始めている。(盛岡総局・木瀬公二)

 ■美術品収集で日中友好の花 広島県福山市・中川健造さん(81)

 広島県福山市の中川健造さん(81)は、中国の美術品収集を通じた豊富な人脈や来年で開館30周年を迎える私設の「中川美術館」のことなどを、自分史「『人の花』を咲かせた男」にまとめた。約100冊を知人らに配り、「面白くて一気に読めた」「日中友好に尽くす熱意が伝わった」などの反響が寄せられている。

 父の急死で家業の穀物輸入販売会社を継いだ。1967年、商談のため文化大革命さなかの中国を訪れ、広州市の倉庫で驚いた。ブルジョア思想につながるとして大量の美術品が放置されていた。

 専門知識はなかったが作品に魅了され、すぐ購入を決めた。その後訪中は100回を超え、集めた絵画や磁器類は5千点以上に。中国美術家協会の呉作人(ごさくじん)主席に背中を押され、学芸員資格も取り、89年、福山市に美術館を開館した。

 自分史には所蔵品の紹介のほか、中国の実力者だったトウ小平氏の長女で画家のトウ林さんら、日中各界との幅広い交流が記される。清朝最後の皇帝の弟、愛新覚羅溥傑(あいしんかくらふけつ)と妻・浩(ひろ)が北京で育てたアサガオの種を中川さんが譲り受け、学校などに配って日中友好の花を咲かせる活動も紹介されている。(藤本正人)

 ■県外・海外で切り開いた道、故郷に還元 沖縄県東村・吉本勲さん(85)

 朝日新聞社と沖縄タイムス社は2015年11月から自分史作成サービスで業務提携をしている。同社は朝日新聞のシステムを利用して、沖縄の人たちの自分史作りを進めている。

     ◇

 沖縄本島北部の東村で育った吉本勲さん(85)が、戦前・戦中・戦後の歩みを子や孫のために記録した自分史が「ピガー(東村)に生きて」。貧困にあえぎながらも向上心と努力を忘れず、道を切り開いた歩みが記される。

 小学生のときに戦争が始まり、軍事・避難訓練が続いた。軍隊が常駐し、朝鮮人兵や慰安婦の惨めな生活を目にした。飢えとマラリアで死ぬ人々。避難所で生活するうち、焼け尽くされた沖縄で終戦を迎えた。

 高校に入学するも、学費や寮費が続かず休学。畑や山仕事で稼いで復学したが、後輩との学力差は歴然だった。寮舎の台所の一角に専用の机を置いて勉強に集中し、高校を卒業した。

 「自分の道は自身で切り開く」がモットー。山野の開墾や炭焼きなどを経験した後、小学校教諭になって3年目に辞職し、茨城県の養豚研修場へ入所した。無料で宿泊研修が受けられることと県外に行けることが魅力だった。目まぐるしく職を変えたが、常に「ナニ」かを求めていた。

 25歳のとき人生の転機が訪れた。日本青年海外派遣事業に応募し、沖縄から1人選ばれた。3カ月にわたって東南アジア4カ国で経済や産業、文化を研修。若者たちと交流し、考え方や生き方に示唆を受けた。

 「東村よりも貧しい国がある。植民地から脱し、自主独立に向けて、未来に向けて、国民が一丸となっている」。東村に戻り、「足元の宝を見つけ、人材を育てよう」と決意した。

 帰郷すると、農業指導員や村議となり、パイナップル産業を村に持ち込み、教育改革や青少年育成に取り組んだ。東村の「リーダー」となった吉本さんの自分史は、村史の役割も担う内容となっている。(沖縄タイムス自分史講師・新崎盛文)

 ■郷土出身者や時代背景を織り込んで

 岡山県倉敷市の三土忠良さん(87)の「『サバクの虹』に魅せられて」。郷土出身の児童文学作家・坪田譲治の短編について、読書研究会向けに書いたコラムをまとめた。時代背景や虹の意味などを多角的に分析している。

     *

 鹿児島市の岩男彩子さん(81)の「父 追憶の鬼塚金寅」。大正から昭和へ、戦争、民主化、高度経済成長……激動の時代を新聞人として信念を曲げずに生きた亡父の生涯をまとめた。家族を愛した優しい姿も刻まれている。

 ■東京・大阪で無料相談会開催

 朝日自分史の事務局では、東京・大阪で無料相談会を月に数回開いており、自分史作りのコツや朝日自分史の概要などをご説明しています。他地域にも出張して学習会を開いているほか、自治会や高齢者施設などからのご要望に応じて出張することもあります。

 朝日自分史のサービスには、記者がお客様をインタビューして本にまとめる「記者取材コース」と、お客様の原稿を編集者が二人三脚で仕上げる「原稿持込コース」があります。いずれも有料の私家版です。また、お客様をインタビューして撮影し、映像にまとめる「朝日自分史動画」サービスもあります。

 ◆朝日自分史

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