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 平日の練習は長くても2時間程度。土日は3時間。週に2日以上の休養日を設ける――。

 中学校の部活動のあり方を見直すべきだという声をうけて、スポーツ庁がまとめたガイドライン(指針)案の内容だ。

 部活の意義は大きい。学年の違う生徒と交流し、人間関係を築き、一緒になって目標をめざすのは得がたい経験である。

 とはいえ、部活はあくまでも自主的な活動だ。長時間練習によるケガや故障、学業への悪影響などの弊害に加え、保護者のいきすぎた期待・介入も目につく。顧問をつとめる教員の長時間労働の一因にもなっており、抜本改革は避けられない。

 練習時間の短縮に異論も一部出ているが、中学生の発達段階を考えると、指針案はおおむね妥当な内容といえる。

 大事なのは紙の上の提言に終わらせないことだ。21年前にも同様の方針が示されたが、定着しなかった。その反省から、今回は各自治体の教育委員会に実行案づくりを求めるという。

 学校現場には戸惑いもあるだろう。だが、生徒、教職員、保護者の間で、あるべき部活像について議論を深める良い機会としてもらいたい。

 地域によっては、少子化や交通事情の変化、配属される教員の数や年齢分布のかたよりなどで、従来のような部活を維持するのが難しくなっている。

 施設から指導者まで、すべてを学校内で用立てる「自前主義」にこだわらず、地域全体でどんな受け皿を用意し、そのためには何をすべきかという視点から考えることが必要だ。指針案にも、その方策のひとつとして、外部指導員の積極的な活用が盛り込まれた。

 地元にある大学や総合型地域スポーツクラブと、いかに連携するか。大会を開く際、学校の枠をこえた合同チームや地域のクラブをどう扱うか。関係者で話し合って、新しいかたちを作りだしてはどうだろう。

 競技団体や地元の体育協会の協力も欠かせない。

 指導方法に関するマニュアルを整備したり、研修の機会を設けたりして、現場の教員が自由に利用できるようにする。経験者らに呼びかけ、子どもの成長に応じた指導法を習得させて学校側に紹介する――など、とり組むべきことはたくさんある。競技に親しむ若者が増えれば、その団体も活気づくだろう。

 高校入試の際に、部活の実績をどう適切に評価するか。改革論議を今後進めていくうえで、これもまた、避けて通れないテーマである。

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