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 日本と韓国の首脳が互いに訪ねあう関係を固められるよう、歩みを重ねていきたい。

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式にあわせて安倍首相が訪韓し、文在寅(ムンジェイン)大統領ときのう会談した。

 文政権の発足後、安倍氏が訪韓するのは初めて。6年間止まっていたシャトル外交が再開したと受けとめられている。

 多くの利害を共有する日韓のリーダーが、意見の違いがあっても頻繁に会う。小泉純一郎・盧武鉉(ノムヒョン)両政権下で始まった隣国間の外交の心得である。

 文氏は会談の冒頭、往来外交を再開する意思を明示し、「首脳間のコミュニケーションを強化していきたい」と語った。今後の確かな進展を望みたい。

 つぎは文氏が来日する番である。4月にも日本で想定された日中韓首脳会談がその機会と期待されたが、中国の事情でずれこむ可能性も出てきた。

 そうであれば文氏の単独での日本訪問も模索すべきだろう。肩ひじを張らない首脳の往来を今度こそ止めてはいけない。

 安倍氏はきのうの会談で、自身の地元山口県・下関と釜山の地方交流に言及し、未来志向の関係を呼びかけた。市民同士の関係と同様に、首脳間でも率直なつきあいを深めてほしい。

 6年前に往来が途絶えたのは、慰安婦問題をめぐる主張の違いからだった。きのうの会談でも主題の一つになり、互いが自らの主張をぶつけ合った。

 両政府の間には、2年あまり前に交わした政治合意がある。最近の大きな動きは、韓国側でおきた。文政権は先月、合意の過程で問題があったとし、日本側に再交渉は求めないとしつつも自発的な謝罪を促した。

 何ともわかりにくい主張であり、履行の意思が疑われても仕方がない。約束通り合意にもとづく財団を通じて、元慰安婦の心の傷を癒やす事業に粛々とあたるべきだ。

 一方、安倍氏は合意を「1ミリたりとも動かす考えはない」と繰り返している。

 合意には両政府が協力して事業にあたることが盛り込まれている。ことさら相手を突き放す言動をとるのは不適切であり、事態をこじらせるだけだ。

 両首脳がきのう、北朝鮮問題の意見交換に時間をさいたのは当然だろう。金正恩(キムジョンウン)政権は、五輪を機に韓国に対し融和攻勢をかけている。韓国と日米の間の結束が試されているときだ。

 歴史問題などで応酬があろうとも、安保・経済・環境など幅広い分野での協調の意義を見失わない。そんな冷静さを両政府ともしっかり保ってほしい。

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