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 青森県三沢市の米軍三沢基地を離陸したF16戦闘機が、エンジン付近から出火し、燃料タンク2本を小川原湖に投棄して同基地に緊急着陸した。

 湖ではシジミ漁の漁船約10隻が操業していた。タンクの落下地点から約200メートルしか離れていない船もあったという。

 パイロットを含めけが人はなかったが、一つ間違えば住民を巻き込む大惨事につながりかねない重大事案である。

 米軍機の事故やトラブルは全国で続いている。

 沖縄県では一昨年12月、名護市沿岸でオスプレイが不時着水に失敗し大破した。昨年12月には米軍普天間飛行場に隣接する小学校の校庭に、輸送ヘリが窓を落とした。この2月にも、オスプレイが落とした部品が県内の浜辺で見つかった。

 一昨年9月には沖縄本島の東の太平洋で、同年12月には四国沖で、米軍の攻撃機がそれぞれ墜落している。

 三沢市沖では昨年10月にも、電子戦機が燃料タンクを投棄した。今回の事案を受け、安倍首相は国会で「ただちに米側に安全管理の徹底と原因究明、再発防止を申し入れた」と述べたが、これまで何度、同様の答弁を聞いてきたことか。

 より強い危機意識をもって、在日米軍と米政府に、実効性ある対策を求める必要がある。

 機体に問題はなかったか、整備は十分だったのか。徹底した原因究明は当然のことだ。

 米国防予算の削減の影響はあるのか。北朝鮮情勢などで任務が増えていないか。構造的な問題の有無を含め、踏み込んだ検証と分析が不可欠だ。

 気がかりなのは、在日米軍の安全に対する基準や感覚が、日本の住民とかけ離れているように見えることだ。

 狭い国土に人口が密集する日本では、本来、米国より厳しい安全基準があっていい。

 ところが現実には、日米安保条約と地位協定のもとで、米軍に様々な特権が与えられ、乱暴な運用が繰り返されている。

 首都圏上空の巨大な空域の管制を米軍にゆだねているのも、その一例である。

 沖縄県議会はきのう、米軍に対し「沖縄は植民地ではない」と抗議する決議を全会一致で可決した。

 強大な権限を握る米軍には、それだけ真摯(しんし)に慎重に運用する責任がある。日本政府はまずそのことを強く訴えるべきだ。

 同時に、国民の生命と財産を守る観点から地位協定の見直しを求める。それは主権国家としての日本政府の使命である。

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